专利摘要:
TLE3を、患者の癌が化学療法に対して応答する見込みを予測するためのマーカーとして使用する方法。TLE3を、癌のための化学療法を選択するためのマーカーとして使用する方法。一実施形態において、患者の癌が化学療法に対して応答する見込みを予測するための方法が提供され、この方法は、癌患者由来の癌サンプルを提供するステップと、該癌サンプル中でTLE3が発現されるか否かを測定するステップと、該測定するステップの結果に基づいて、該患者の癌が化学療法に対して応答する見込みを予測するステップとを含む。
公开号:JP2011505562A
申请号:JP2010536127
申请日:2008-11-25
公开日:2011-02-24
发明作者:ロバート;エス. サイツ,;ロドニー;エー. ベック,;ブライアン;ゼット. リング,;ダグラス;ティー. ロス,
申请人:アプライド ジェノミクス, インコーポレイテッド;
IPC主号:G01N33-574
专利说明:

[0001] 癌治療の大きな課題は、任意の患者にとって、有効性を最大にし、毒性を最小にする化学療法の選択である。例えば、免疫組織化学(IHC)を使用する細胞表面マーカーのアッセイは、特定の癌をサブクラスに分けるための手段を提供した。例えば、乳癌の予後および治療法の決定において考慮される1つの因子として、エストロゲン受容体(ER)の有無がある。ER陽性乳癌は、通常、ER陰性癌よりも、乳房組織において抗エストロゲンとして作用するタモキシフェンなどのホルモン療法に対して、かなり容易に応答する。有用であっても、これらの分析は、乳癌の臨床的挙動を一部しか予測しない。現在の診断ツールで検出できない、癌に存在する表現型の多様性がある。結果として、転帰を最適にするために、可能性ある治療の間で患者をどのように層別化するかをめぐって、依然、多くの議論がある。(例えば、乳癌については、「NIH Consensus Development Conference Statement:Adjuvant Therapy for Breast Cancer、2000年11月1〜3日」、非特許文献1および非特許文献2参照のこと)。特に、現在、パクリタキセル、特に有害な副作用を伴う化学療法薬を用いる治療に対する、患者の起こり得る応答を予測するためのツールがない。癌を分類し、それによって、任意の患者にとって、有効性を最大にし、毒性を最小にする治療計画を選択するための改善法および試薬の必要性が存在することは明らかである。]
先行技術

[0002] J.Nat.Cancer Inst.Monographs、(2001)30:5−15
Di Leoら、Int.J.Clin. Oncol.(2002)7:245−253]
課題を解決するための手段

[0003] 本発明者らは、TLE3(スプリット3のトランスデューシン様エンハンサー、Entrez Gene ID7090)の発現と、化学療法に対する癌の応答の間の相関を同定した。この相関は、TLE3抗体と、既知の転帰を有する、治療された患者および治療されていない患者の両方を含む乳癌コホートから得たサンプルを使用して実証された。本発明者らはまた、治療された卵巣癌患者から得たサンプル中のTLE3抗体の結合が、予後の改善と相関すると観察した。したがって、一態様では、本発明は、TLE3を、患者の癌が、化学療法に対して応答する見込みを予測するためのマーカーとして使用する方法を提供する。別の態様では、本発明は、TLE3を、癌患者に化学療法を投与するか否かを決定するためのマーカーとして使用する方法を提供する。さらに別の態様では、本発明は、TLE3を、癌患者のための化学療法を選択するためのマーカーとして使用する方法を提供する。]
[0004] TLE3の発現は、任意の既知法を使用して検出できる。したがって、本発明の方法は、抗体を使用してTLE3ポリペプチドを検出することによって例示されているが、特定の実施形態では、当技術分野で周知であるような1種以上のプライマーを使用してTLE3ポリヌクレオチドを検出してもよい。]
[0005] 一般に、TLE3は、本発明の方法の予測力をさらに改善するために、その他のマーカーまたは臨床因子(例えば、ステージ、腫瘍の大きさ、結節の特徴、年齢など)とともに使用してよい。]
[0006] 付属書類の簡単な説明
本特許出願は、付属書類Aとして提示される表およびデータを含む構成要素を指す。詳しくは、付属書類Aは、本発明の方法においてTLE3マーカーとともにパネルにおいて使用できる種々のマーカーを列挙する表である。この表は、抗体ID、親遺伝子名、Entrez Gene ID、親遺伝子の既知仮名、抗体の調製において使用され得るペプチドおよび染色のための例示的抗体力価を含む。当業者ならば、親遺伝子名、Entrez Gene IDおよび/または親遺伝子の既知仮名を使用して、付属書類Aに列挙されている親遺伝子1つ1つのヌクレオチド(および対応するアミノ酸)配列を、公共データベース(例えば、GenBank、Swiss−Protまたは任意のこれらの次世代の派生物)から容易に得ることができる。付属書類Aに列挙されている親遺伝子1つ1つのヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列は、これらの公共データベースから参照により本明細書に組み込まれる。S5またはS6ではじまるIDを有する抗体は、示される商業的供給源から得てもよい。]
図面の簡単な説明

[0007] 乳癌患者から得たTLE3陰性(S0643−)およびTLE3陽性(S0643+)サンプルのIHC像を比較する図である。
TLE3マーカーに対して作製した抗体を用いる染色に基づいて分類した後に、Huntsville Hospital(HH)乳癌コホート中のすべての患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。TLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合は、この乳癌コホートの全域で予後の改善と相関する(HR=0.573、p<0.004)。
TLE3マーカーに対して作製した抗体を用いる染色に基づいて分類した後に、Roswell Park Cancer Institute(RP)乳癌コホート中のすべての患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。RPコホート中の選択された患者は、ER(エストロゲン受容体、Entrez Gene ID 2099)、PR(プロゲステロン受容体、Entrez Gene ID 5241)およびHER−2マーカー(v−erb−b2赤芽球性白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ2、Entrez Gene ID 2064)についてすべて三重陰性であった。TLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合は、この乳癌コホートの全域で予後の改善と相関する(HR=0.24、p<0.011)。
化学療法を受けなかった、図1のHH乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合は、化学療法を受けなかった乳癌患者における予後とのその相関を失う(HR=0.788、p=0.49)。
化学療法を受けた、図1のHH乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合と、予後の間の相関は、化学療法を受けた患者では回復された(HR=0.539、p<0.013)。
化学療法を受けた、図2のRP乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合は、このサブセットの乳癌患者の全域で、予後の改善と相関する(HR=0.194、p=0.010)。これらの結果は、HHコホートを用いた図5において得られたものと同様である。
CMF(シクロホスファミド、メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル)化学療法を受けた、図5のHH乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合は、このサブセットの治療された患者の全域で、予後の改善と相関する(HR=0.398、p<0.019)。
CA(シクロホスファミドおよびアドリアマイシン)またはCAF(シクロホスファミド、アドリアマイシンおよび5−フルオロウラシル)化学療法(タキサンを伴うか、伴わない)を受けた、図5のHH乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、このサブセットの治療された患者では、TLE3マーカーとの抗体結合と予後の間の相関は、有意性を失う(HR=0.666、p=0.22)。
CAまたはCAF化学療法のみを受けた(すなわち、タキサンを伴わない)、図8のHH乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、このサブセットの治療された患者では、TLE3マーカーとの抗体結合と予後の間には相関はない(HR=1.03、p=0.95)。
CAまたはCAFを、タキサンと組み合わせて受けた、図8のHH乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、このサブセットの治療された患者では、TLE3マーカーとの抗体結合と予後の間の相関は回復された(HR=0.114、p=0.038)。
CA化学療法のみを受けた(すなわち、タキサンを伴わない)、図6のRP乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、このサブセットの治療された患者では、TLE3マーカーとの抗体結合と予後の間に相関はない(HR=0.759、p=0.81)。
CAを、タキサンと組み合わせて受けた、図6のRP乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合は、このサブセットの治療された患者の全域で、予後の改善と相関する(HR=0.142、p=0.011)。
タキサンまたはCMFを受けた、図6のRP乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。タキサンを受けた一部の患者は、CAも受けた。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合は、このサブセットの治療された患者の全域で、予後の改善と相関する(HR=0.137、p=0.011)。
ネオアジュバント化学療法を受けた、図6のRP乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。サンプルサイズは小さかったが(N=12)、図に示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合は、フィッシャーの正確確率検定を使用して測定した場合に、このサブセットの治療された患者の全域で、予後の改善と有意な相関を示した(p=0.005)。
化学療法を受けた、図6のRP乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。ステージII+(図15)、ステージIIb+(図16)およびステージIII+(図17)癌のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。各場合において、TLE3マーカーとの抗体結合は、これらのサブセットの治療された患者の全域で、予後の改善と相関した。図17のサブセットでは、サンプルサイズは小さかったが(N=19)、フィッシャーの正確確率検定を使用して測定した場合に、有意性が得られた(p=0.020)。
化学療法を受けた、図6のRP乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。ステージII+(図15)、ステージIIb+(図16)およびステージIII+(図17)癌のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。各場合において、TLE3マーカーとの抗体結合は、これらのサブセットの治療された患者の全域で、予後の改善と相関した。図17のサブセットでは、サンプルサイズは小さかったが(N=19)、フィッシャーの正確確率検定を使用して測定した場合に、有意性が得られた(p=0.020)。
化学療法を受けた、図6のRP乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。ステージII+(図15)、ステージIIb+(図16)およびステージIII+(図17)癌のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。各場合において、TLE3マーカーとの抗体結合は、これらのサブセットの治療された患者の全域で、予後の改善と相関した。図17のサブセットでは、サンプルサイズは小さかったが(N=19)、フィッシャーの正確確率検定を使用して測定した場合に、有意性が得られた(p=0.020)。
バーミンガムのアラバマ大学(UAB)卵巣癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す図である。すべての患者は、パクリタキセルを受けた。ほとんどの患者は、白金化学療法(カルボプラチンまたはシスプラチン)も受けた。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、これらの治療された患者では、TLE3マーカーとの抗体結合は、予後と相関した(HR=0.64、p<0.049)。] 図1 図15 図16 図17 図2 図5 図6 図8
[0008] 定義
結合する−相互作用パートナーがマーカーと「結合する」場合、直接非共有結合性相互作用によって連結される。]
[0009] 癌マーカー−「癌マーカー」または「マーカー」は、癌サンプル中の検出可能である分子成分である。通常、マーカーは、遺伝子(例えば、TLE3遺伝子)の発現を示し、癌サンプル内、例えば、癌性細胞の細胞質または膜内に存在する、および/またはこのような細胞から分泌されるポリペプチド(例えば、TLE3タンパク質)またはポリヌクレオチド(例えば、TLE3mRNA)であり得る。]
[0010] 癌サンプル−本明細書において、用語「癌サンプル」または「サンプル」は、癌患者から(例えば、腫瘍から、血流からなど)採取された細胞または組織サンプル、身体のどこに位置していてもよい腫瘍に由来する細胞(例えば、血流中の、または転移部位の細胞)またはこのようなサンプルに由来する任意の物質を含むよう広くとられる。由来する物質は、例えば、サンプル、細胞後代などから抽出された核酸またはタンパク質を含み得る。一実施形態では、癌サンプルは、腫瘍サンプルであり得る。]
[0011] 相関−「相関」とは、ある変数が、別の変数から予測され得る程度、例えば、治療に対する癌の応答が、癌サンプル中のマーカーの発現から予測され得る程度を指す。さまざまな統計的手法、例えば、限定するものではないが、スチューデントのt検定、フィッシャーの正確確率検定、ピアソン相関係数、スピアマン相関係数、カイ二乗検定などを使用して、2つの変数の間の相関を測定してよい。結果は、従来、相関が偶然に起きたという尤度の尺度を提供するp値を有する、測定された相関係数として与えられる。0.05未満のp値を有する相関は、通常、統計的に有意であると考えられる。好ましい相関は、0.01未満、特に、0.001未満であるp値を有する。]
[0012] ハイブリダイズされた−本明細書において記載されるように、プライマーおよびマーカーが、互いに物理的に「ハイブリダイズされる」場合、それらは、塩基対相互作用によって非共有結合的に連結している。]
[0013] 相互作用パートナー−「相互作用パートナー」とは、ポリペプチドマーカーを結合する成分である。例えば、限定するものではないが、相互作用パートナーは、マーカーを結合する抗体またはその断片であり得る。一般に、相互作用パートナーは、検出可能なレベルでマーカーと結合し、同様の条件下では、無関係の分子成分(例えば、その他のマーカー)と検出可能には結合しない場合に、マーカーと「特異的に結合する」といわれる。マーカーと相互作用パートナーの間の特異的会合は、通常、相互作用パートナーによって認識される抗原決定基またはエピトープなどの標的マーカーの特定の構造的特徴の存在に応じて変わる。一般に、特異性は、絶対的なものである必要はないということは理解されるべきである。例えば、抗体は、標的エピトープの他に、その他のエピトープと頻繁に交差反応するということは当技術分野では周知である。このような交差反応性は、相互作用パートナーが使用される予定である適用に応じて、許容され得る。したがって、相互作用パートナーの特異性の程度は、使用されている状況に応じて変わる。一般に、相互作用パートナーは、そのパートナーとの結合を、その他の可能性あるパートナー、例えば、その他のマーカーとの結合を上回って好む場合に、特定のマーカーに対して特異性を示す。当業者ならば、任意の所与の適用(例えば、標的マーカーの検出のために、治療目的のためなど)において、適宜機能するのに十分な程度の特異性を有する相互作用パートナーを選択できるであろう。また、特異性は、標的マーカーに対する相互作用パートナーの親和性対その他の可能性あるパートナー、例えば、その他のマーカーに対する相互作用パートナーの親和性など、さらなる因子の関連で評価され得るということも理解されるべきである。相互作用パートナーが、標的マーカーに対して高親和性を、非標的分子に対して低親和性を示す場合には、相互作用パートナーは、特異性を欠く場合であっても、診断目的のための許容される試薬である可能性が高い。]
[0014] プライマー−「プライマー」とは、ポリヌクレオチドマーカーと物理的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド成分である。一般に、プライマーは、検出可能なレベルでマーカーとハイブリダイズし、同様の条件下では、無関係の分子成分(例えば、その他のマーカー)と検出可能にはハイブリダイズしない場合に、マーカーと「特異的にハイブリダイズする」といわれる。マーカーとプライマー間の特定のハイブリダイゼーションは、通常、プライマーのヌクレオチド配列と相補的である、標的マーカーの特定のヌクレオチド配列の存在に応じて変わる。一般に、特異性は、絶対的なものである必要はないということは理解されるべきである。プライマーの特異性の程度は、使用されている状況に応じて変わる。一般に、プライマーは、そのパートナーとのハイブリダイゼーションを、その他の可能性あるパートナー、例えば、その他のマーカーとのハイブリダイゼーションを上回って好む場合に、特定のマーカーに対して特異性を示す。当業者ならば、任意の所与の適用において、適宜機能するのに十分な程度の特異性を有するプライマーを選択できるであろう。また、特異性は、標的マーカーに対するプライマーの親和性対その他の可能性あるパートナー、例えば、その他のマーカーに対するプライマーの親和性など、さらなる因子の関連で評価され得るということも理解されるべきである。プライマーが、標的マーカーに対して高親和性を、非標的分子に対して低親和性を示す場合に、プライマーは、特異性を欠く場合であっても、診断目的のための許容される試薬である可能性が高い。]
[0015] 応答−治療に対する癌の「応答」は、例えば、分子、細胞、オルガネラまたは生物レベルで任意の検出可能な変化を表し得る。例えば、腫瘍の大きさ、患者平均余命、再発または患者が生存する時間の長さなどは、すべて応答である。応答は、例えば、腫瘍の大きさの非侵襲性の測定(例えば、CTスキャン、画像強調可視化など)、腫瘍の大きさの侵襲性の測定(例えば、残存腫瘍切除など)、代理マーカー測定(例えば、血清PSAなど)、臨床経過の変動(例えば、患者の生活の質の測定、再発までの時間、生存時間など)をはじめ、さまざまな方法のいずれで測定してもよい。]
[0016] 小分子−「小分子」は、非ポリマー分子である。小分子は、実験室で合成でき(例えば、コンビナトリアル合成によって)、または天然に見出され得る(例えば、天然物)。小分子は、通常、いくつかの炭素−炭素結合を含み、約1500Da未満の分子量を有することを特徴とするが、この特徴は、本発明の目的にとって制限であると意図されるものではない。]
[0017] 本発明の特定の好ましい実施形態の詳細な説明
上記のように、本発明者らは、癌サンプル中のTLE3(スプリット3のトランスデューシン様エンハンサー、Entrez Gene ID7090)の発現と、化学療法に対する癌の応答の間の相関を同定した。実施例に記載のとおり、この相関は、TLE3抗体と、既知の転帰を有する、治療された患者および治療されていない患者の両方を含む2つの乳癌コホートから得たサンプルを使用して実証された。本発明者らはまた、この予測モデルが、治療された卵巣癌患者のコホートから得たサンプルに適用した場合にも一致することを示した。本発明者らはまた、特定の種類の化学療法、例えば、細胞周期特異的化学療法薬、例えば、メトトレキサートおよびタキサンの投与を含む治療に対する応答を予測するためのTLE3の有用性を実証した。これらの化学療法薬は、種々の癌の種類の全域で既知有用性を有するので、これらの結果は、本発明の方法はまた、種々の癌の種類の全域で、それらの有効性を予測することにおいて有用であろうと示唆する。]
[0018] 化学療法に対する応答を予測することおよび化学療法を選択すること
一態様では、本発明は、TLE3を、患者の癌が、化学療法に対して応答する見込みを予測するためのマーカーとして使用する方法を提供する。概して、これらの方法は、癌患者由来の癌サンプルを提供すること、癌サンプル中でTLE3が発現されるか否かを測定すること、および測定するステップの結果に基づいて、患者の癌が化学療法に対して応答する見込みを予測することを含む。一実施形態では、予測するステップは、癌サンプル中のTLE3発現の存在に基づいて、患者の癌が化学療法に対して応答する可能性が高いと予測することを含む。一実施形態では、予測するステップは、癌サンプル中にTLE3発現がないことに基づいて、患者の癌が化学療法に対して応答する可能性が低いと予測することを含む。]
[0019] 特定の実施形態では、陰性対照サンプルが提供され、測定するステップは、癌サンプルおよび陰性対照サンプル中のTLE3発現のレベルを検出することならびに癌サンプルおよび陰性対照サンプル中のTLE3の発現のレベルを比較することを含む。一般に、陰性対照サンプルは、TLE3を再現性よく発現しない任意のサンプルであり得る。一実施形態では、陰性対照サンプルは、TLE3抗体を再現性よく結合しないサンプルであり得る。一実施形態では、陰性対照サンプルは、検出可能なレベルのTLE3mRNAを再現性よく産生しないサンプルであり得る。一実施形態では、陰性対照サンプルは、TLE3陰性癌を有する患者から得られる。一実施形態では、陰性対照サンプルは、癌を有さない患者から得られる。特定の実施形態では、陰性対照サンプルは、問題の癌と同じ組織種(例えば、乳癌を考慮する場合には、乳房組織)が起源であり得る。その他の実施形態では、陰性対照サンプルは、異なる組織種、または異なる生物でさえ、または細胞株が起源であり得る。]
[0020] さらに、またはあるいは、特定の実施形態では、陽性対照サンプルが提供され、測定するステップは、癌サンプルおよび陽性対照サンプル中のTLE3発現のレベルを検出することならびに癌サンプルおよび陽性対照サンプル中のTLE3の発現のレベルを比較することを含む。一般に、陽性対照サンプルは、TLE3を再現性よく発現する任意のサンプルであり得る。一実施形態では、陰性対照サンプルは、TLE3抗体を再現性よく結合する任意のサンプルであり得る。一実施形態では、陰性対照サンプルは、検出可能なレベルのTLE3mRNAを再現性よく産生するサンプルであり得る。一実施形態では、陽性対照サンプルは、TLE3陽性癌を有する患者から得られる。特定の実施形態では、陽性対照サンプルは、問題の癌と同じ組織種(例えば、乳癌を考慮する場合には、乳房組織)が起源であり得る。その他の実施形態では、陽性対照サンプルは、異なる組織種、または異なる生物でさえ、または細胞株が起源であり得る。]
[0021] TLE3の発現は、任意の既知法を使用して調べることができる。]
[0022] 一実施形態では、TLE3ポリペプチドは、TLE3ポリペプチド(例えば、TLE3タンパク質またはその抗原性断片)を結合する相互作用パートナーを使用して検出できる。例えば、以下に記載されるように、TLE3抗体を、相互作用パートナーとして使用し、癌サンプルを、TLE3抗体と接触させることによってTLE3発現を検出し得る。このような実施形態では、本発明の方法は、癌患者由来の癌サンプルを提供すること、癌サンプルをTLE3に向けられた抗体と接触させることおよび抗体の癌サンプルとの結合に基づいて、患者の癌が化学療法に対して応答する見込みを予測することを含み得る。一実施形態では、予測するステップは、抗体の癌サンプルとの結合に基づいて、患者の癌が化学療法に対して応答する可能性が高いと予測することを含み得る。別の実施形態では、予測するステップは、抗体の癌サンプルとの結合がないことに基づいて、患者の癌が化学療法に対して応答する可能性が低いと予測することを含み得る。]
[0023] 別の実施形態では、TLE3ポリヌクレオチドは、TLE3ポリヌクレオチド(例えば、TLE3mRNA、cDNAまたはRNA)とハイブリダイズする、1種以上のプライマーを使用して検出できる。このような実施形態では、本発明の方法は、癌患者由来の癌サンプルを提供すること、癌サンプルを、TLE3とハイブリダイズする、1種以上のプライマーと接触させること、および1種以上のプライマーの癌サンプルとのハイブリダイゼーションに基づいて、患者の癌が化学療法に対して応答する見込みを予測することを含み得る。一実施形態では、予測するステップは、1種以上のプライマーの癌サンプルとのハイブリダイゼーションに基づいて、患者の癌が化学療法に対して応答する可能性が高いと予測することを含み得る。別の実施形態では、予測するステップは、1種以上のプライマーの癌サンプルとのハイブリダイゼーションがないことに基づいて、患者の癌が化学療法に対して応答する可能性が低いと予測することを含み得る。]
[0024] 別の態様では、本発明は、患者の癌が化学療法に対して応答するという見込みに基づいて、癌患者に、化学療法を投与するか否かを決定する方法を提供する。一実施形態では、決定するステップは、癌サンプル中のTLE3発現の存在に基づいて、癌患者に、化学療法を投与すると決定することを含む。一実施形態では、決定するステップは、癌サンプル中にTLE3発現がないことに基づいて、癌患者に、化学療法を投与しないと決定することを含む。]
[0025] さらに別の態様では、本発明は、癌患者のための化学療法を選択するための方法を提供する。概して、これらの方法は、癌患者由来の癌サンプルを提供すること、癌サンプル中でTLE3が発現されるか否かを測定することおよび測定するステップの結果に基づいて、癌患者のための化学療法を選択することを含む。一実施形態では、選択するステップは、癌サンプル中のTLE3発現の存在に基づいて化学療法を選択することを含む。]
[0026] 実施例に記載されるように、本発明者らは、TLE3発現がメトトレキサート(図7参照のこと)およびタキサン(図10、12および13参照のこと)を用いる化学療法に対する応答と相関することを実証した。メトトレキサートおよびタキサンは、細胞周期特異的化学療法薬であると考えられている(例えば、Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics、IX. Chemotherapy of Neoplastic Diseases第51章。Antineoplastic Agents、第11版、編集主幹Laurence L.Brunton、編集者John S.Lazoおよび共同編集者Keith L.Parker参照のこと)。細胞周期特異的化学療法薬は、静止相(G0)を含めたすべての相について等しく働く非細胞周期特異的化学療法薬とは対照的に、細胞周期の特定の相内でその作用機序を示す。メトトレキサートの他に、その他の代謝拮抗薬が分類されているのと同じように、タキサンの他に、その他の植物アルカロイドも文献で細胞周期特異的化学療法薬として分類されている。対照的に、シスプラチンおよびシクロホサミド(cyclophosamide)などの多数のアルキル化剤は、非細胞周期特異的化学療法薬として分類されている。本発明者らの結果は、TLE3の予測力は、メトトレキサートおよびタキサンの他に、その他の細胞周期特異的化学療法薬に及び得ることを示唆する。] 図10 図7
[0027] したがって、いくつかの実施形態では、本発明の方法を使用して細胞周期特異的化学療法薬を選択してよい、または投与するか否かを決定してよい。一実施形態では、本発明の方法を使用して、代謝拮抗物質を選択してよい、または投与するか否かを決定してよい。一実施形態では、本発明の方法を使用して、植物アルカロイドを選択してよい、または投与するか否かを決定してよい。一実施形態では、本発明の方法を使用して、メトトレキサートを選択してよい、または投与するか否かを決定してよい。別の実施形態では、本発明の方法を使用して、タキサンを選択してよい、または投与するか否かを決定してよい。一実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。一実施形態では、タキサンはドセタキセルである。]
[0028] 各場合において、当然のことではあるが、これらの化学療法薬は、単独で、または当技術分野で公知であり、以下に論じられるようなその他の化学療法薬と組み合わせて投与してよい。また、当然のことながら、本発明は、選択された化学療法薬が、メトトレキサートまたはタキサン誘導体、すなわち、メトトレキサートまたはタキサンから誘導される構造を有する化合物である方法を包含する。誘導体は、通常、親化合物の構造のほとんどを共有するが、異なる置換基、ヘテロ原子、環融合物、飽和レベル、異性、立体異性などを親化合物内の1以上の位置に含み得る。制限するものではないが、以下の米国特許は、本発明の方法に従って使用できる例示的メトトレキサート誘導体の調製を記載している:米国特許第6,559,149号および同4,374,987号。制限するものではないが、以下の米国特許は、本発明の方法に従って使用できる例示的タキサン誘導体の調製を記載している:米国特許第7,074,945号、同7,063,977号、同6,906,101号、同6,649,778号、同6,596,880号、同6,552,205号、同6,531,611号、同6,482,963号、同6,482,850号、同6,462,208号、同6,455,575号、同6,441,026号、同6,433,180号、同6,392,063号、同6,369,244号、同6,339,164号、同6,291,690号、同6,268,381号、同6,239,167号、同6,218,553号、同6,214,863号、同6,201,140号、同6,191,290号、同6,187,916号、同6,162,920号、同6,147,234号、同6,136,808号、同6,114,550号、同6,107,332号、同6,051,600号、同6,025,385号、同6,011,056号、同5,955,489号、同5,939,567号、同5,912,263号、同5,908,835号、同5,869,680号、同5,861,515号、同5,821,263号、同5,763,477号、同5,750,561号、同5,728,687号、同5,726,346号、同5,726,318号、同5,721,268号、同5,719,177号、同5,714,513号、同5,714,512号、同5,703,117号、同5,698,582号、同5,686,623号、同5,677,462号、同5,646,176号、同5,637,723号、同5,621,121号、同5,616,739号、同5,606,083号、同5,580,899号、同5,476,954号、同5,403,858号、同5,380,916号、同5,254,703号および同5,250,722号。前記の特許の各々および本明細書に列挙される任意のその他の参考文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。]
[0029] メトトレキサートは、葉酸の代謝を阻害することによって作用し、膀胱癌、乳癌、胃癌、絨毛癌、頭頸部癌、軟膜癌、白血病(急性髄膜性、急性リンパ芽球性、急性リンパ性)、リンパ腫(バーキット、小児、非ホジキン)、菌状息肉腫、原発不明癌およびリンパ肉腫の治療のために承認されている(Methotrexate in BC Cancer Agency Cancer Drug Manual、2007)。メトトレキサートはまた、食道癌、肺癌および精巣癌を治療するために有用であるとわかっている(Methotrexate in UpToDate、2007)。特定の実施形態では、本発明の方法は、1種以上のさらなる化学療法薬と組み合わせたメトトレキサートを選択するか、または投与するか否かを決定するステップを含む。例えば、メトトレキサートは、癌患者に、シクロホスファミドおよび5−フルオロウラシルも含むCMFと呼ばれる組合せとしてよく投与される。]
[0030] タキサンは、イチイ属の植物によって産生されるジテルペンである。タキサンは、天然供給源から得られ場合も、合成によって製造される場合もある。タキサンとして、パクリタキセル(タキソール(商標))およびドセタキセル(タキソテール(商標))が挙げられる。タキサンは、細胞分裂の間の正常な微小管成長を干渉することによって働く。特定の実施形態では、本発明の方法は、1種以上のさらなる化学療法薬と組み合わせたタキサン(例えば、パクリタキセルまたはドセタキセル)を選択するか、または投与するか否かを決定するステップを含む。例えば、タキサンは、癌患者に、シクロホスファミドおよびアドリアマイシン(ドキソルビシン)および場合により5−フルオロウラシルと組み合わせて(すなわち、CAまたはCAFとともに)よく投与される。]
[0031] パクリタキセルは、乳癌、カポジ肉腫、肺癌および卵巣癌の治療のために承認されている(Paclitaxel in BC Cancer Agency cancer Drug Manual、2007ならびにMekhailおよびMarkman、Expert Opin.Pharmacother.3:755−66、2002)。パクリタキセルはまた、子宮頸癌(AHFS 2005 Drug Information. Bethesda、Maryland:American Society of Health−System Pharmacists、2005中、pp.1124−34)、子宮内膜癌(Paclitaxel in BC CancerAgency CancerDrug Manual、2007)、膀胱癌(Paclitaxel in UpToDate、2007)、頭頸部癌(Paclitaxel in UpToDate、2007)、白血病(Paclitaxel in UpToDate、2007)および悪性黒色腫(Paclitaxel in UpToDate、2007)の治療において有用であるとわかっている。パクリタキセルの副作用として、顔の紅潮、皮疹または息切れなどの過敏症反応が挙げられる。患者は、過敏症反応を防ぐよう投薬を受け、その後、パクリタキセルを摂取することが多い。パクリタキセルはまた、骨髄に対する一時的な損傷を引き起こし得る。骨髄損傷により、人は、感染、貧血および挫傷または容易に出血することに対して感受性がより高くなる。その他の副作用として、上肢または下肢における関節または筋肉痛、下痢、悪心および嘔吐、しびれ、灼熱または手もしくは足における刺痛および脱毛を挙げることができる。]
[0032] ドセタキセルは、乳癌(Aapro、Seminars in Oncology 25(5 Suppl 12):7−11、1998、Nabholtzら、Journal of Clinical Oncology 17(5):1413−24、1999、Sjostromら、European Journal of Cancer 35(8):1194−201、1999およびBursteinら、Journal of Clinical Oncology 18(6):1212−9、2000)、非小細胞肺癌(Fossellaら、Journal of Clinical Oncology 18(12):2354−62、2000およびHainsworthら、Cancer 89(2):328−33、2000)および卵巣癌(Kayeら、European Journal of Cancer 33(13):2167−70、1997)の治療のために承認されている。ドセタキセルはまた、エソテリオーマ(esothelioma)(Vorobiofら、Proc Am Soc Clin Oncol 19:578a、2000)、前立腺癌(Picusら、Seminars in Oncology 26(5 Suppl 17):14−8、1999およびPetrylakら、Journal of Clinical Oncology 17(3):958−67、1999)、尿路上皮移行上皮癌(Dimopoulosら、Annals of Oncology 10(11):1385−8、1999およびPectasidesら、European Journal of Cancer 36(1):74−9、2000)、頭頸部癌(Docetaxel in USP DI、2000およびCouteauら、British Journal of Cancer 81(3):457−62、1999)および小細胞肺癌(Smythら、European Journal of Cancer 30A(8):1058−60、1994)の治療において有用であることがわかっている。]
[0033] TLE3陽性である乳癌および卵巣癌患者の両方について化学療法に対する応答の改善が観察されるという本発明者らの観察結果は、本発明の方法は、種々の癌の種類の全域で有用であり得るということを示唆する。TLE3発現は、メトトレキサートおよびタキサンを用いた治療に対する応答の改善と関係しているという本発明者らの観察結果は、本発明の方法は、これらの化学療法薬に応答した癌全体に適用可能であるということをさらに示唆する。上記で論じたように、このようなものとして、制限するものではないが、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、胃癌、頭頸部癌および白血病が挙げられる。]
[0034] 一実施形態では、本発明の方法を、乳癌を有する癌患者とともに使用してよい。一実施形態では、本発明の方法を、卵巣癌を有する癌患者とともに使用してよい。一実施形態では、本発明の方法を、肺癌を有する癌患者とともに使用してよい。一実施形態では、本発明の方法を、膀胱癌を有する癌患者とともに使用してよい。一実施形態では、本発明の方法を、胃癌を有する癌患者とともに使用してよい。一実施形態では、本発明の方法を、頭頸部癌を有する癌患者とともに使用してよい。一実施形態では、本発明の方法を、白血病を有する癌患者とともに使用してよい。]
[0035] 実施例において実証されるように、一実施形態では、ER(エストロゲン受容体、Entrez GeneID 2099)、PR(プロゲステロン受容体、Entrez GeneID 5241)およびHER−2マーカー(v−erb−b2赤芽球性白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ2、Entrez GeneID 2064)について三重陰性である乳癌患者を用いて、TLE3発現と化学療法に対する応答の間の相関が観察された。したがって、特定の実施形態では、本発明の方法を、このクラスに属する乳癌患者とともに使用してよい。]
[0036] 実施例において実証されるように、治療が、ネオアジュバント設定において投与される場合に、TLE3発現と化学療法に対する応答の間の相関が同様に存在するとわかった。したがって、特定の実施形態では、本発明の方法を、ネオアジュバント設定で化学療法を投与されている患者とともに使用してよい。その他の実施形態では、アジュバント設定で化学療法を投与してよい。]
[0037] 実施例において実証されるように、TLE3発現と化学療法に対する応答の間の相関はまた、ステージとは無関係であるとわかった。したがって、特定の実施形態では、本発明の方法を、ステージII+(すなわち、ステージII以上)の癌を有する患者とともに使用してよい。特定の実施形態では、本発明の方法を、ステージIIb+またはステージIII+の癌を有する患者とともに使用してよい。]
[0038] TLE3発現の検出
上記のように、TLE3の発現は、任意の既知法を使用して調べることができる。一実施形態では、TLE3発現は、相互作用パートナー(例えば、抗体)を使用してTLE3ポリペプチドマーカーを検出することによって調べてもよい。別の実施形態では、TLE3発現は、プライマーを用いてTLE3ポリヌクレオチドマーカーを検出することによって調べてもよい。]
[0039] TLE3ポリペプチドマーカーを検出すること
TLE3ポリペプチドマーカーは、TLE3ポリペプチドマーカー(TLE3タンパク質またはその抗原性断片であり得る)を結合する任意の相互作用パートナーを使用して検出してもよい。したがって、本発明に従って、親和性および特異性の適当な組み合わせでマーカーを結合する限り、相互作用パートナーとして、TLE3マーカーを検出可能に結合する任意の成分を利用してよい。]
[0040] 特に好ましい相互作用パートナーは、抗体または断片(例えば、F(ab)断片、F(ab’)2断片、Fv断片またはsFv断片などであり、例えば、参照により各々本明細書に組み込まれる、Inbarら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 69:2659、1972、Hochmanら、Biochem. 15:2706、1976およびEhrlichら、Biochem. 19:4091、1980、Hustonら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 85:5879、1998、Hustonらの米国特許第5,091,513号および同5,132,405号ならびにLadnerらの米国特許第4,946,778号を参照のこと)。特定の実施形態では、相互作用パートナーは、変異株抗体(またはその断片)のライブラリーから選択され得る。例えば、各々、種々の点突然変異を含む抗体の収集物を、その注目するマーカーとの関係についてスクリーニングすればよい。なおさらに、キメラ抗体、例えば、以下により詳細に記載される「ヒト化」または「ベニヤ化(veneered)」抗体を相互作用パートナーとして使用してもよい。]
[0041] 相互作用パートナーとして抗体が使用される場合には、これらは、当業者に公知のさまざまな技術のいずれによって調製してもよい(例えば、HarlowおよびLane、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、1988参照のこと、また、実施例も参照のこと)。例えば、抗体は、モノクローナル抗体の作製をはじめとする細胞培養技術によって、または組換え抗体の製造を見越した、適した細菌または哺乳類細胞宿主への抗体遺伝子のトランスフェクションを介して製造してもよい。一技術では、注目するマーカーの抗原性部分(またはマーカー自体)を含む「免疫原」を、さまざまな哺乳類(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジまたはヤギ)のいずれかに最初に注射する。このステップでは、マーカー(またはその抗原性部分)は、修飾を伴わずに免疫原として働く。あるいは、特に、比較的短いマーカーについては、マーカーが、担体タンパク質、例えば、ウシ血清アルブミンまたはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)と連結される場合に、優れた免疫応答が誘発され得る。免疫原を、動物宿主中に、好ましくは、1回以上のブースター免役化を組み込む所定のスケジュールに従って注射し、動物を定期的に出血させる。次いで、例えば、適した固体支持体にカップリングされたマーカー(またはその抗原性部分)を使用するアフィニティークロマトグラフィーによって、このような抗血清から、マーカーに特異的なポリクローナル抗体を精製してもよい。実施例に例示的方法が記載されている。]
[0042] 必要に応じて、診断または治療目的のために、例えば、KohlerおよびMilstein、Eur.J.Immunol.6:511、1976の技術およびその改善物を使用して、TLE3に特異的なモノクローナル抗体を調製してもよい。要するに、これらの方法は、所望の特異性(すなわち、注目するマーカーとの反応性)を有する抗体を産生できる不死細胞株の調製を含む。このような細胞株は、例えば、上記のように免役化された動物から得られた脾臓細胞から製造してもよい。次いで、例えば、骨髄腫細胞融合パートナー、好ましくは、免役化された動物と同系であるものとの融合によって脾臓細胞を不死化する。さまざまな融合技術を使用してよい。例えば、脾臓細胞および骨髄腫細胞を、非イオン性界面活性剤と数分間組み合わせ、次いで、ハイブリッド細胞の増殖を支援するが、骨髄細胞は支援しない、選択培地に低密度でプレーティングしてもよい。好ましい選択技術は、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)選択を使用する。十分な時間、通常、約1〜2週間の後、ハイブリッドのコロニーを観察する。単一コロニーを選択し、それらの培養上清を、マーカーに対する結合活性について調べる。高い反応性および特異性を有するハイブリドーマが好ましい。]
[0043] モノクローナル抗体は、増殖しているハイブリドーマコロニーの上清から単離してもよい。さらに、収率を高めるために、適した脊椎動物宿主、例えば、マウスの腹膜腔中へのハイブリドーマ細胞株の注射など種々の技術を用いてもよい。次いで、モノクローナル抗体を、腹水または血液から回収すればよい。汚染物質は、クロマトグラフィー、ゲル濾過、沈殿および抽出などの従来技術によって抗体から除去すればよい。TLE3は、精製工程において、例えば、アフィニティークロマトグラフィーステップにおいて使用してよい。]
[0044] 本発明は、相互作用パートナーとして抗体または抗体断片を使用することに限定されないということは理解されるべきである。特に、本発明はまた、抗体の機能を模倣する合成相互作用パートナーの使用を包含する。抗体模倣物を設計および/または同定するいくつかのアプローチが提案され、実証されている(例えば、Hsieh−Wilsonらによる総説、Acc.Chem.Res. 29:164、2000ならびにPeczuhおよびHamilton、Chem.Rev.100:2479、2000参照のこと)。例えば、天然タンパク質のものと同様の様式でタンパク質表面と結合する小分子が、小分子の合成ライブラリーまたは天然物単離物をスクリーニングすることによって同定されている(例えば、Gallopら、J.Med.Chem.37:1233、1994、Gordonら、J.Med.Chem.37:1385、1994、DeWittら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:6909、1993、Buninら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.91:4708、1994、VirgilioおよびEllman、J.Am.Chem.Soc.116:11580、1994、Wangら、J.Med.Chem.38:2995、1995ならびにKickおよびEllman、J.Med.Chem.38:1427、1995参照のこと)。同様に、コンビナトリアルアプローチが、ペプチドおよびタンパク質のライブラリーを、その幅広いタンパク質と結合する能力についてスクリーニングするために成功裏に適用されている(例えば、Cullら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:1865、1992、Mattheakisら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.91:9022、1994、ScottおよびSmith、Science 249:386、1990、Devlinら、Science 249:404、1990、Coreyら、Gene 128:129、1993、Brayら、Tetrahedron Lett.31:5811、1990、Fodorら、Science 251:767、1991、Houghtenら、Nature 354:84、1991、Lamら、Nature 354:82、1991、BlakeおよびLitzi−Davis、Bioconjugate Chem.3:510、1992、Needelsら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:10700、1993ならびにOhlmeyerら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:10922、1993参照のこと)。同様のアプローチがまた、炭水化物−タンパク質相互作用(例えば、Oldenburgら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:5393、1992参照のこと)およびポリヌクレオチド−タンパク質相互作用(例えば、EllingtonおよびSzostak、Nature 346:818、1990ならびにTuerkおよびGold、Science 249:505、1990参照のこと)を研究するために使用されてきた。これらのアプローチはまた、タンパク質と、オリゴカルバメート、オリゴ尿素、オリゴスルホンなどといった天然バイオポリマーの間の相互作用を研究するために拡張されてきた(例えば、Zuckermannら、J.Am.Chem.Soc.114:10646、1992、Simonら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:9367、1992、Zuckermannら、J.Med.Chem.37:2678、1994、Burgessら、Angew.Chem.、Int.Ed.Engl.34:907、1995およびChoら、Science 261:1303、1993参照のこと)。なおさらに、抗体分子の基礎フォールドに大まかに基づいている代替タンパク質足場が示唆されており、本発明の相互作用パートナーの調製において使用してもよい(例えば、KuおよびSchultz Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.92:6552、1995参照のこと)。3−アミノメチル安息香酸などの小分子と、単一ペプチドループからなる置換基の足場を含む抗体模倣物も構築されている。ペプチドループは、これらの模倣物において結合機能を遂行する(例えば、Smytheら、J.Am.Chem.Soc.116:2725、1994参照のこと)。カリックスアレーンユニットを中心に構築された、多数のペプチドループを含む合成抗体模倣物も記載されている(例えば、Hamiltonらの米国特許第5,770,380号参照のこと)。]
[0045] 相互作用パートナーとTLE3マーカー間の関係を検出するために、任意の利用可能な戦略またはシステムを利用してよい。特定の実施形態では、会合は、相互作用パートナーに検出可能な標識を加えることによって検出してもよい。その他の実施形態では、会合は、抗原/抗体検出の技術分野では周知であるように、一次相互作用パートナーと特異的に結合する、標識された二次相互作用パートナーを使用することによって検出してもよい。検出可能な標識は、直接的に検出可能であってもよく、例えば、シグナル生成システムの1種以上のさらなるメンバーとの組み合わせ作用によって間接的に検出可能であってもよい。直接的に検出可能な標識の例として、放射活性、常磁性、蛍光、光散乱、吸収性および比色標識が挙げられる。間接的に検出可能な例として、化学発光標識、例えば、基質を発色性生成物に変換することができる酵素、例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼなどが挙げられる。]
[0046] 標識された相互作用パートナーがTLE3マーカーと結合すると、さまざまな方法で複合体を可視化または検出してよく、特定の検出様式が、特定の検出可能な標識に基づいて選択され、ここで、代表的な検出手段として、例えば、シンチレーション計数、オートラジオグラフィー、常磁性の測定、蛍光測定、光吸収測定、光散乱の測定などが挙げられる。]
[0047] 一般に、相互作用パートナーとTLE3マーカーの間の関係は、相互作用パートナーを、マーカーを含む癌サンプルと接触させることによってアッセイしてもよい。サンプルの性質に応じて、適当な方法として、それだけには限らないが、免疫組織化学(IHC)、ラジオイムノアッセイ、放射性免疫測定法、放射免疫アッセイ、ELISA、免疫ブロット法および蛍光活性化細胞選別(FACS)が挙げられる。組織サンプル、例えば、生検サンプルにおいて、タンパク質が検出される予定である場合には、IHCが特に適当な検出方法である。組織および細胞サンプルを得、IHCおよびFACSを遂行するための技術は、当技術分野で周知である。]
[0048] 多数のサンプルが取り扱われる予定である場合は(例えば、同一の患者から得たいくつかのサンプルまたは異なる患者から得たサンプルを同時に分析する場合には)、配列された、および/または自動化された形式を利用することが望ましい場合がある。特定の実施形態では、実施例に記載される組織アレイを使用してよい。組織アレイは、さまざまな技術に従って構築してよい。一手順によれば、市販の機械装置(例えば、Beecher Instruments of Sun Prairie、WI製の手動組織アレイヤーMTA1)を使用して、各患者から調製したパラフィンブロック(ドナーブロック)から、0.6ミクロンの直径の、全層「コア」を採取し、このコアを、グリッド上の設計された位置の別個のパラフィンブロック(レシピエントブロック)に挿入する。好ましい実施形態では、約400人もの数の患者から得たコア(または同一の患者から得た複数のコア)を、単一のレシピエントブロック中に挿入してもよく、コア間間隔は約1mmであることが好ましい。得られた組織アレイを、パラフィン包埋材料に適用可能な標準法に従って、相互作用パートナーでの染色のために薄切片に加工してもよい。]
[0049] どんな形式であれ、どんな検出戦略であれ、識別力価の同定は、相互作用パートナーを使用することの望ましさを評価するための結合研究を簡略化できる。このような研究では、相互作用パートナーを、好ましくは、少なくとも1つの共通の特色(例えば、起源の組織)を有し、複数の共通の特色(例えば、起源の組織、ステージ、顕微鏡的特徴など)を有することが多い複数の異なるサンプルと接触させる。いくつかの場合には、異なる特色を識別する力価が決定されるよう、少なくとも1つの共通の特色および少なくとも1つの異なる特色を有するサンプルの群を選択することが望ましい。その他の場合には、これまでは識別不可能なサンプル間を識別する力価が決定されるよう、検出可能な異なる特色を有さないサンプルの群を選択することが望ましい。しかし、当業者ならば、本発明は、さまざまな程度の類似性および相違を有するサンプル収集物の研究においてでさえ、これらの目標の両方が達成されることを可能にすることが多いということを理解するであろう。]
[0050] 上記で、および実施例において論じられるように、本発明者らは、これらの技術を乳癌および卵巣癌患者から得たサンプルに適用した。本発明はまた、それらが産生される細胞から分泌されるマーカーが、血清中に存在し得、それによって、生検組織を必要とするのではなく血液検査によってそれらの検出が可能になるという認識を包含する。このようなマーカーと結合する相互作用パートナーは、本発明の特に好ましい実施形態に相当する。]
[0051] 一般に、このようなアッセイの結果は、さまざまな形式のいずれかで提示され得る。結果は、定性的な様式で提示され得る。例えば、試験報告は、TLE3マーカーが検出されるか否かだけを、ことによると、検出限界を示すものも示し得る。さらに、試験報告は、結合の細胞内局在、例えば、核対細胞質および/またはこれらの異なる細胞内局在における結合の相対レベルを示し得る。結果は、半定量的様式で提示され得る。例えば、種々の範囲を定義してよく、範囲に、特定の程度の量的情報を提供するスコア(例えば、0〜5)を割り当ててもよい。このようなスコアは、種々の因子、例えば、マーカーが検出される細胞の数、シグナルの強度(マーカーの発現のレベルを示し得る)などを反映し得る。結果は、例えば、マーカーが検出される細胞のパーセンテージとして、濃度としてなど、量的様式で提示され得る。当業者には当然のことであろうが、試験によって提供される結果の種類は、試験の技術的な限界およびマーカーの検出に伴われる生物学的重要性に応じて変わる。例えば、特定の状況では、純粋に定性的結果(例えば、特定の検出レベルでマーカーが検出されるか否か)が、重要な情報を提供する。その他の場合には、より定量的結果(例えば、2種のサンプル中のマーカーの発現のレベルの比)が必要である。]
[0052] TLE3ポリヌクレオチドマーカーを検出すること
多くの場合で、抗体などの相互作用パートナーを使用するポリペプチドマーカーの検出は、特定のサンプル中でTLE3が発現されるか否かを測定する最も好都合な手段に相当し得るが、本発明の方法はまた、ポリヌクレオチドマーカーの検出のためのプライマーの使用も包含する。特定のポリヌクレオチドマーカーの存在を検出するためのさまざまな方法が、当技術分野で公知であり、本発明の方法において使用してもよい。通常、これらの方法は、1種以上のプライマーと、ポリヌクレオチドマーカー間のハイブリダイゼーションに頼るものである。]
[0053] プライマーと、TLE3ポリヌクレオチド(TLE3mRNA、mRNAからRT−PCRによって製造されるcDNA、このようなcDNAから製造されるRNAなどであり得る)の間のハイブリダイゼーションを検出するために、任意の利用可能な戦略またはシステムを利用してよい。特定の実施形態では、ハイブリダイゼーションは、簡単に、プライマーに検出可能な標識を加えることによって検出してもよい。その他の実施形態では、ハイブリダイゼーションは、一次プライマーと特異的にハイブリダイズする、標識された二次プライマー(例えば、TLE3マーカーとハイブリダイズしない一次プライマーの領域)を使用することによって検出してもよい。さらにその他の実施形態では、TLE3遺伝子の領域を増幅するよう設計されたプライマーの1セットを使用するPCRによって癌サンプル内のTLE3マーカーを増幅することが、有利であり得る。次いで、例えば、増幅産物とハイブリダイズする、標識された二次プライマーを使用して、得られた産物を検出してもよい。当業者ならば、これらの実施形態の変法を理解するであろう。]
[0054] プライマー設計についての検討事項は、当技術分野では周知であり、例えば、Newtonら(編)PCR:Essential data Series、John Wiley & Sons、PCR Primer:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1995、Whiteら(編)PCR Protocols:Current methodsand Applications、Methods in Molecular Biology、The Humana Press、Totowa、NJ、1993に記載されている。さらに、当技術分野で公知のさまざまなコンピュータプログラムを使用して、適当なプライマーを選択してもよい。]
[0055] 一般に、検出可能な標識は、直接的に検出可能である場合も、例えば、シグナル生成システムの1以上のさらなるメンバーとの組み合わせ作用によって間接的に検出可能である場合もある。直接的に検出可能な標識の例として、放射活性、常磁性、蛍光、光散乱、吸収性および比色標識が挙げられる。間接的に検出可能な例として、化学発光標識、例えば、基質を発色性生成物に変換できる酵素、例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼなどが挙げられる。]
[0056] 標識されたプライマーが、TLE3マーカーとハイブリダイズすると、さまざまな方法で複合体を可視化または検出してよく、特定の検出様式が、特定の検出可能な標識に基づいて選択され、これでは、代表的な検出手段として、例えば、シンチレーション計数、オートラジオグラフィー、常磁性の測定、蛍光測定、光吸収測定、光散乱の測定などが挙げられる。]
[0057] 一般に、プライマーと、TLE3マーカー間のハイブリダイゼーションは、プライマーを、マーカーを含む癌サンプルと接触させることによってアッセイしてもよい。癌サンプルの性質に応じて、適当な方法として、それだけには限らないが、マイクロアレイ分析、in situハイブリダイゼーション、ノーザンブロットおよび種々の核酸増幅技術、例えば、PCR、RT−PCR、定量的PCR、リガーゼ連鎖反応などが挙げられる。]
[0058] 新規治療法の同定
本発明に従って、TLE3の予測力は、癌を、既知治療法に対するその応答性の可能性に関して分類するためだけでなく、癌の治療において有用であり得る、可能性ある新規治療法または治療薬を同定するためにも有用である。]
[0059] 実際、TLE3は、新規治療薬の同定(例えば、マーカーと、好ましくは、特定の親和性および/または特異性で、結合またはハイブリダイズする化合物もしくは成分を検出するためのスクリーニング、および/またはマーカーの発現、局在性、修飾または活性を調節する(すなわち、増大または減少させる)化合物もしくは成分を検出するためのスクリーニングによる)のための魅力的な候補に相当する。したがって、一実施形態では、本発明は、試験化合物を、TLE3マーカーを発現する細胞(例えば、個々の操作された細胞または組織との関連でなど)と接触させるステップと、試験化合物が、TLE3マーカーの発現、局在性、修飾または活性を調節するかどうかを測定するステップとを含む方法を提供する。多くの例では、相互作用パートナーまたはプライマー(例えば、アンチセンスまたはRNAiプライマー)自体が有用な治療薬であると判明し得る。]
[0060] したがって、本発明は、自体が有用な治療薬である、相互作用パートナーおよびプライマーを提供する。例えば、癌性細胞との、TLE3に対して作製した抗体による結合は、それらの細胞の増殖を阻害し得る。あるいは、またはさらに、本発明に従って定義または調製された相互作用パートナーを用いて、癌細胞に治療薬を送達できる。特に、相互作用パートナー(例えば、TLE3に対して作成された抗体)を、1種以上の治療薬とカップリングしてもよい。これに関連して適した薬剤として、放射性核種および薬物が挙げられる。好ましい放射性核種として、90Y、123I、125I、131I、186Re、188Re、211Atおよび212Biが挙げられる。好ましい薬物として、クロラムブシル、イフォスファミド、メクロレタミン、シクロホスファミド、カルボプラチン、シスプラチン、プロカルバジン、デカルバジン(decarbazine)、カルムスチン、シタラビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、パクリタキセル、ドセタキセル、チオグアニン、5−フルオロウラシル、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、L−アスパルギナーゼ(asparginase)、アドレノコルチコステロイド、カンシクロビルトリホスフェート(canciclovir triphosphate)、アデニンアラビノヌクレオシドトリホスフェート(arabinonucleoside triphosphate)、5−アジリジニル−4−ヒドロキシルアミノ−2−ニトロベンズアミド、アクロレイン、ホスホラミドマスタード、6−メチルプリン、エトポシド、安息香酸マスタード、シアン化物およびナイトロジェンマスタードが挙げられる。]
[0061] このような実施形態によれば、治療薬を、直接または間接共有結合性または非共有結合性相互作用によって相互作用パートナーとカップリングしてもよい。治療薬と、相互作用パートナー間の直接相互作用は、各々が、他方と反応できる置換基を有する場合に起こり得る。例えば、一方上のアミノまたはスルフヒドリル基などの求核基が、もう一方上の、無水物もしくは酸ハロゲン化物などのカルボニル含有基と、または良好な脱離基(例えば、ハロゲン化物)を含有するアルキル基と反応できる可能性がある。間接的相互作用は、それ自体が非共有結合的に治療薬および相互作用パートナーの両方と結合しているリンカー基を含み得る。リンカー基は、会合能への干渉を避けるために、相互作用パートナーを薬剤から距離を置かせるスペーサーの役を果たし得る。リンカー基はまた、薬剤または相互作用パートナー上の置換基の化学反応性を高め、ひいては、カップリング効率を高めるよう働き得る。反応性の増大はまた、そうでなければあり得ない、薬剤または薬剤上の官能基の使用を促進し得る。]
[0062] さまざまな二官能性または多官能性試薬、ホモおよびヘテロ官能基の両方(例えば、Pierce Chemical Co.、Rockford、Illのカタログに記載されるもの)を、リンカー基として使用してもよいということは、当業者には明らかであろう。カップリングは、例えば、アミノ基、カルボキシル基、スルフィドリル(sulfydryl)基または酸化炭水化物残基を介して達成され得る。このような方法論を記載する多数の参考文献がある、例えば、Rodwellらの米国特許第4,671,958号。さらに、当然のことながら、治療薬および相互作用パートナーを、非共有結合性相互作用、例えば、リガンド/受容体型相互作用によってカップリングしてもよい。本発明との関連で作動させるのに十分な安定性および特異性を有する任意のリガンド/受容体対を使用して、治療薬および相互作用パートナーをカップリングしてもよい。ほんの一例を挙げれば、治療薬を共有結合によってビオチンと、相互作用パートナーをアビジンと連結してもよい。次いで、ビオチンの、アビジンとの強力な非共有結合によって、治療薬と相互作用パートナーのカップリングが可能となる。通常のリガンド/受容体対として、タンパク質/補因子および酵素/基質対が挙げられる。よく使用されるビオチン/アビジン対の他に、これらとして、限定するものではないが、ビオチン/ストレプトアビジン、ジゴキシゲニン/抗ジゴキシゲニン、FK506/FK506結合タンパク質(FKBP)、ラパマイシン/FKBP、シクロフィリン/シクロスポリンおよびグルタチオン/グルタチオントランスフェラーゼ対が挙げられる。その他の適したリガンド/受容体対は、当業者によって認識されているであろう。例えば、限定されるものではないが、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、c−myc、FLAG(登録商標)およびマルトース結合タンパク質(MBP)およびさらにAdvances in Mutagenesis」Kessler編、Springer−Verlag、1990のKessler 105−152ページ、「Affinity Chromatography:Methodsand Protocols (Methods in Molecular Biology)」Pascal Baillon編、Humana Press、2000および「Immobilized Affinity Ligand Techniques」Hermansonら編、Academic Press、1992に記載されるものなどのエピトープタグと対形成されるモノクローナル抗体がある。]
[0063] 治療薬が、相互作用パートナーを含まない場合に、より強力である場合には、細胞へのインターナリゼーションの間またはインターナリゼーション時に切断可能であるリンカー基を使用することが望ましい。いくつかの異なる切断可能なリンカー基が記載されている。これらのリンカー基からの薬剤の細胞内放出の機序として、ジスルフィド結合の還元による切断(例えば、Spitlerの米国特許第4,489,710号)、感光性結合の照射による切断(例えば、Senterらの米国特許第4,625,014号)、誘導体化アミノ酸側鎖の加水分解による切断(例えば、Kohnらの米国特許第4,638,045号)、血清補体媒介性加水分解による切断(例えば、Rodwelltらの米国特許第4,671,958号)および酸触媒加水分解による切断(例えば、Blattlerらの米国特許第4,569,789号)が挙げられる。]
[0064] 特定の実施形態では、2種以上の治療薬を相互作用パートナーとカップリングすること望ましいものであり得る。一実施形態では、1つの相互作用パートナー分子に、薬剤の複数の分子がカップリングされる。別の実施形態では、1つの相互作用パートナー分子に、2種以上の治療薬がカップリングされ得る。特定の実施形態にかかわらず、2種以上の薬剤を含む調製物は、さまざまな方法で調製してもよい。例えば、2種以上の薬剤を、相互作用パートナー分子に直接的にカップリングしてもよく、付着のための複数の部位を提供するリンカーを使用してもよい。]
[0065] あるいは、担体を使用してもよい。担体は、直接的な、またはリンカー基を介してのいずれかの共有結合をはじめとするさまざまな方法で薬剤を保持し得る。適した担体として、アルブミンなどのタンパク質(例えば、Katoらの米国特許第4,507,234号)、ペプチド、およびアミノデキストランなどの多糖(例えば、Shihらの米国特許第4,699,784号)が挙げられる。担体はまた、非共有結合性結合によって、またはリポソーム小胞内などのカプセル封入によって、薬剤を保持し得る(例えば、Martinらの米国特許第4,429,008号およびMayhewらの同4,873,088号)。放射性核種薬剤に特異的な担体として、放射ハロゲン化小分子およびキレート化合物が挙げられる。例えば、Srivastavaの米国特許第4,735,792号には、代表的な放射ハロゲン化小分子およびその合成が開示されている。放射性核種キレートは、金属、または金属酸化物、放射性核種を結合するためのドナー原子として窒素および硫黄原子を含有するものを含むキレート化合物から形成してもよい。例えば、Davisonらの米国特許第4,673,562号には、代表的なキレート化合物およびその合成が開示されている。]
[0066] 相互作用パートナーが、それ自体治療薬である場合、多くの場合、同じマーカーと結合する任意の相互作用パートナーをそのように使用してもよいということは理解されよう。]
[0067] 本発明の好ましい一実施形態では、治療薬(相互作用パートナーか、そうでないかにかかわらず)は、抗体、例えば、TLE3マーカーに対する抗体である。当技術分野では周知であるように、治療目的のために抗体またはその断片を使用する場合、注目する「ヒト化」または「ベニヤ化」型の抗体を使用して、任意のあり得る免疫原性反応を低減することが有利であるとわかり得る。一般に、「ヒト化」または「ベニヤ化」抗体分子およびその断片は、ヒトレシピエントにおけるそれらの部分の治療適用の期間および有効性を制限し得る、抗ヒト抗体分子に対する不要な免疫学的応答を最小にする。]
[0068] げっ歯類可変領域と、ヒト定常ドメインと融合している、その関連相補性決定領域(CDR)を有するキメラ抗体(例えば、Winterら、Nature 349:293、1991、Lobuglioら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 86:4220、1989、Shawら、J.Immunol.138:4534、1987およびBrownら、Cancer Res.47:3577、1987)、適当なヒト抗体定常ドメインとの融合に先立ってヒト支持フレームワーク領域(FR)にグラフトされたげっ歯類CDR(例えば、Riechmannら、Nature 332:323、1988、Verhoeyenら、Science 239:1534、1988、およびJonesらNature 321:522、1986参照のこと)および組換えによってベニヤ化されたげっ歯類FRによって支持されるげっ歯類CDR(例えば、1992年12月23日に公開された欧州特許公報第519,596号参照のこと)をはじめ、非ヒト免疫グロブリン由来の抗原結合部分を含む、たくさんの「ヒト化」抗体分子が、当技術分野で記載されているということは理解されるべきである。本発明はまた、XenoMouse(商標)技術(AbGenix Corp.、Fremont、CA)を、米国特許第6,075,181号に記載される技術に従って使用して作製される「完全ヒト」抗体を包含する。]
[0069] なおさらに、「ベニヤ化FR」を含む、いわゆる「ベニヤ化」抗体を使用してもよい。ベニヤ化の工程は、例えば、ネズミ重鎖または軽鎖可変領域に由来するFR残基を、ヒトFR残基と選択的に置換して、天然FRタンパク質フォールディング構造の実質的にすべてを保持する抗原結合部分を含む異種分子を提供することを含む。ベニヤ化技術は、抗原結合部分の抗原結合特徴は、主に、抗原会合表面内の重鎖および軽鎖CDRセットの構造および関連配置によって決定されるという理解に基づいている(例えば、Daviesら、Ann.Rev.Biochem.59:439、1990参照のこと)。したがって、抗原会合特異性は、CDR構造、それらの互いの相互作用およびそれらの可変領域ドメインの残りとの相互作用が、注意深く維持される場合にのみ、ヒト化抗体中で保存され得る。ベニヤ化技術を使用することによって、免疫系が容易に遭遇する外部(例えば、溶媒が接近可能な)FR残基を、ヒト残基と選択的に置換して、弱い免役原性、または実質的に非免役原性のベニヤ化表面のいずれかを含むハイブリッド分子を提供する。]
[0070] 治療薬(または治療薬担体)として使用するのに適した相互作用パートナーは、標的マーカー(例えば、TLE3)に対する高い特異性およびその他のマーカーとの低いバックグラウンド結合を示すことが好ましい。特定の実施形態では、治療目的には、モノクローナル抗体が好ましい。]
[0071] 薬剤組成物
上記のように、本発明は、新規治療法およびこれらを同定する方法を提供する。特定の実施形態では、相互作用パートナーまたはプライマーは、有用な治療薬であり得る。あるいは、またはさらに、本発明に従って定義されるか、調製される相互作用パートナーは、治療薬の標的として働くマーカー(例えば、TLE3)と結合する。また、本発明の相互作用パートナーを使用して、癌細胞に治療薬を送達してもよい。例えば、本発明に従って提供される相互作用パートナーを、1種以上の治療薬とカップリングしてもよい。]
[0072] 本発明は、これらの発明の治療薬を含む薬剤組成物を含む。一般に、薬剤組成物は、1種以上の不活性薬剤、例えば、滅菌、生体適合性担体、例えば、それだけには限らないが、滅菌水、生理食塩水、緩衝生理食塩水またはデキストロース溶液に加えて、治療薬を含む。薬剤組成物は、単独またはその他の治療薬、例えば、その他の化学療法薬、ホルモン、ワクチンおよび/または放射線療法と組み合わせて投与してよい。本明細書において、ここでおよび他の場所で「と組み合わせて」とは、薬剤が同時に投与されなければならない、または一緒の送達のために製剤されなければならないことを意味するものではないが、これらの送達方法は本発明の範囲内にある。一般に、各薬剤は、その薬剤のために決定された用量で、タイムスケジュールで投与される。さらに、本発明は、そのバイオアベイラビリティーを改善、その代謝を低減または改変、その排出を阻害し得るか、または身体内のその分布を改変し得る薬剤と組み合わせた、本発明の薬剤組成物の送達を包含する。本発明の薬剤組成物を、それを必要とする任意の被験体(例えば、任意の動物)の治療のために使用してよいが、それらは、ヒトの治療において使用されることが最も好ましい。]
[0073] 本発明の薬剤組成物は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、皮下、脳室内、経皮、直腸、膣内、腹腔内、局所(散剤、軟膏または液滴によってのように)、頬側(bucal)、または経口もしくは鼻腔スプレーまたはエアゾールとしてをはじめ、さまざまな経路によってヒトおよびその他の動物に投与してもよい。一般に、最も適当な投与経路は、薬剤の性質(例えば、消化管の環境におけるその安定性、患者の状態(例えば、患者が経口投与に耐容できるかどうか)などをはじめとする、さまざまな因子に応じて変わる。現在のところ、治療用抗体を送達するためには、静脈内経路が最もよく使用される。しかし、本発明は、薬物送達の科学における起こり得る進歩を考慮して、任意の適当な経路による本発明の薬剤組成物の送達を包含する。]
[0074] 医薬品の製剤および製造における概論は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第19版、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1995に見い出すことができる。]
[0075] 例証
実施例1:抗体を作製すること
この実施例は、これらの実施例において使用されたTLE3抗体を作製するために使用した方法を記載する。同様の方法を使用して、注目する任意のマーカーと(例えば、付属書類Aに列挙されるその他のマーカーであるか、その他のマーカーに由来するタンパク質と)結合する抗体を作製してもよい。いくつかの場合には、抗体は、商業的供給源(例えば、Chemicon、Dako、Oncogene Research Products、NeoMarkersなど)またはその他の公共の利用可能な供給源(例えば、Imperial Cancer Research Technologyなど)から得てもよい。]
[0076] 材料および溶液
・アニソール(カタログ番号A4405、Sigma、St. Louis、MO)
・2,2’−アジノ−ジ−(3−エチル−ベンゾチアゾリン−スルホン酸)(ABTS)(カタログ番号A6499、Molecular Probes、Eugene、OR)
・活性化型マレイミドキーホールリンペットヘモシアニン(カタログ番号77106、Pierce、Rockford、IL)
・キーホールリンペットヘモシアニン(カタログ番号77600、Pierce、Rockford、IL)
・リン酸(H3PO4)(カタログ番号P6560、Sigma)
・氷酢酸(カタログ番号BP1185−500、Fisher)
・EDC(EDAC)(カタログ番号341006、Calbiochem)
・25%グルタルアルデヒド(カタログ番号G−5882、Sigma)
・グリシン(カタログ番号G−8898、Sigma)
・ビオチン(カタログ番号B2643、Sigma)
・ホウ酸(カタログ番号B0252、Sigma)
・セファロース4B(カタログ番号17−0120−01、LKB/Pharmacia、Uppsala、Sweden)
・ウシ血清アルブミン(LP)(カタログ番号100 350、Boehringer Mannheim、Indianapolis、IN)
・臭化シアン(カタログ番号C6388、Sigma)
・透析チューブスペクトル/細孔膜MWCO:6−8,000(カタログ番号132665、Spectrum Industries、Laguna Hills、CA)
・ジメチルホルムアミド(DMF)(カタログ番号22705−6、Aldrich、Milwaukee、WI)
・DIC(カタログ番号BP 592−500、Fisher)
・エタンジチオール(カタログ番号39,802−0、Aldrich)
・エーテル(カタログ番号TX 1275−3、EMSciences)
・エチレンジアミン四酢酸(EDTA)(カタログ番号BP 120−1、Fisher、Springfield、NJ)
・1−エチル−3−(3’ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、HCL(EDC)(カタログ番号341−006、Calbiochem、San Diego、CA)
・フロイントのアジュバント、完全(カタログ番号M−0638−50B、Lee Laboratories、Grayson、GA)
・フロイントのアジュバント、不完全(カタログ番号M−0639−50B、Lee Laboratories)
・フリット付きクロマトグラフィーカラム(カラム部分番号12131011、フリット部分番号12131029、Varian Sample Preparation Products、HarborCity、CA)
・ウシ皮膚由来のゼラチン(カタログ番号G9382、Sigma)
・ヤギ抗ウサギIgG、ビオチン化(カタログ番号A 0418、Sigma)
・HOBt(カタログ番号01−62−0008、Calbiochem)
・西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)(カタログ番号814 393、Boehringer Mannheim)
・HRP−ストレプトアビジン(カタログ番号S 5512、Sigma)
・塩酸(カタログ番号71445−500、Fisher)
・過酸化水素30% w/w(カタログ番号H1009、Sigma)
・メタノール(カタログ番号A412−20、Fisher)
・マイクロタイタープレート、96ウェル(カタログ番号2595、Corning−Costar、Pleasanton、CA)
・Calbiochem製のN−α−Fmoc保護されたアミノ酸。’97〜’98カタログ1〜45ページ。]
[0077] ・Calbiochem製の、Wang樹脂と付着しているN−α−Fmoc保護されたアミノ酸。’97〜’98カタログ161〜164ページ。]
[0078] ・NMP(カタログ番号CAS 872−50−4、Burdick and Jackson、Muskegon、MI)
・ペプチド(Research Geneticsによって合成された。詳細は以下に示される)
・ピペリジン(カタログ番号80640、Fluka、Sigmaから入手可能)
・炭酸水素ナトリウム(カタログ番号BP328−1、Fisher)
・ホウ酸ナトリウム(カタログ番号B9876、Sigma)
・炭酸ナトリウム(カタログ番号BP357−1、Fisher)
・塩化ナトリウム(カタログ番号BP 358−10、Fisher)
・水酸化ナトリウム(カタログ番号SS255−1、Fisher)
・ストレプトアビジン(カタログ番号1 520、Boehringer Mannheim)
・チオアニソール(カタログ番号T−2765、Sigma)
・トリフルオロ酢酸(カタログ番号TX 1275−3、EMSciences)
・Tween−20(カタログ番号BP 337−500、Fisher)
・ウェットボックス(Rectangular Servin’Saver(商標)部分番号3862、Rubbermaid、Wooster、OH)
・蒸留水に溶解したEDTAを含むBBS−ホウ酸緩衝生理食塩水(HClまたはNaOHを用いてpH8.2〜8.4)、25mMホウ酸ナトリウム(Borax)、100mMホウ酸、75mM NaClおよび5mM EDTA。]
[0079] ・以下のような生理食塩水中の0.1N HCl:濃HCl(8.3ml/0.917l蒸留水)および0.154M NaCl
・蒸留水に溶解し、所望のpHに調整したグリシン(pH2.0およびpH3.0)、0.1Mグリシンおよび0.154M NaCl。]
[0080] ・蒸留水に溶解した5×ホウ酸塩1×塩化ナトリウム、0.11M NaCl、60mMホウ酸ナトリウムおよび250mMホウ酸。]
[0081] ・水酸化ナトリウム、50〜100mMクエン酸を用いてpH4.0に調整した、蒸留水中の基質バッファー。]
[0082] ・AA溶液:HOBtは、NMPに溶解する(1リットルのNMPに対して8.8gHOBt)。0.53Mの濃度のFmoc−N−a−アミノ。]
[0083] ・DIC溶液:3部のNMPに対して1部のDIC。]
[0084] ・脱保護溶液:3部のDMFに対して1部のピペリジン。]
[0085] ・試薬R:2部のアニソール、3部のエタンジチオール、5部のチオアニソールおよび90部のトリフルオロ酢酸。]
[0086] 機器
・MRXプレートリーダー(Dynatech、Chantilly、VA)
・Hamilton Eclipse(Hamilton Instruments、Reno、NV)
・Beckman TJ−6遠心機(モデル番号TJ−6、Beckman Instruments、Fullerton、CA)
・チャートレコーダー(Recorder1部分番号18−1001−40、Pharmacia LKBBiotechnology)
・UVモニター(Uvicord SII部分番号18−1004−50、Pharmacia LKB Biotechnology)
・Amicon撹拌細胞濃縮器(Stirred Cell Concentrator)(モデル8400、Amicon、Beverly、MA)
・30kD MWカットオフフィルター(カタログ番号YM−30メンブランカタログ番号13742、Amicon)
・マルチチャネル自動化ピペッター(カタログ番号4880、Corning Costar、Cambridge、MA)
・pHメータCorning 240(Corning Science Products、Corning Glassworks、Corning、NY)
・ACT396ペプチドシンセサイザー(Advanced ChemTech、Louisville、KY)
・真空乾燥機(Labconco、KansasCity、MO製のボックスおよびAlcatel、Laurel、MD製のポンプ)。]
[0087] ・凍結乾燥機(Freezemobile 12とタンデムのUnitop 600sl、両方ともVirtis、Gardiner、NY製)
ペプチド選択
それに対して抗体が作製されるペプチドまたは複数のペプチドを、Hopp/Woods法(HoppおよびWoods、Mol.Immunol.20:483、1983ならびにHoppおよびWoods、Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A. 78:3824、1981に記載される)を使用するプログラムを使用して注目するタンパク質配列内から選択した。このプログラムは、低い溶媒到達性によって予測される、いくつかの推定抗原エピトープを含有する15〜20個のアミノ酸のペプチド配列を同定するスキャンニングウィンドウを使用する。これは、単一の短い(約6アミノ酸)の推定的抗原エピトープを同定するHopp/Woods法のほとんどの実行とは対照的である。場合により、予測された溶媒到達性を、ループ構造のPHD予測によってさらに評価する(RostおよびSander、Proteins 20:216、1994に記載される)。好ましいペプチド配列は、さらなる既知ヒトタンパク質と最小の類似性しか示さない。類似性は、ワードサイズ2を使用してBLASTPアラインメントを実施することによって決定した(Altschulら、J.Mol.Biol.215:403、1990に記載される)。1000未満のEXPECT値を与えられたすべてのアラインメントを調べ、正確な近接するギャップのないアラインメント中、60%を超えるまたは5残基以上の類似性を有するアラインメントは、それらのペプチドが退けられるようにした。細胞膜の外側の露出されたタンパク質の領域を標的とすることが望ましい場合には、文献から、または隠れMarkovモデルを使用する予測膜貫通ドメインによって定義される、注目するタンパク質の細胞外領域を決定した(Kroghら、J.Mol.Biol.305:567、2001)。ペプチド配列が細胞外ドメイン中にあった場合には、ペプチドは、N結合型グリコシル化部位を含んでいた場合には退けられた。付属書類Aに示されるように、TLE3抗体の調製のためには、アミノ酸配列KNHHELDHRERESSAN(配列番号383)を有する単一ペプチドを使用した。付属書類Aは、その他のマーカーに対する抗体の調製において使用してもよい1〜3のペプチド配列を提供する。]
[0088] ペプチド合成
所望のペプチドの配列を、ペプチドシンセサイザーに提供した。C末端残基を決定し、適当なWang樹脂を反応容器と付着させた。ペプチドまたは複数のペプチドを、合成サイクルを使用する時点で1個のアミノ酸を加えることによってC末端からN末端に合成した。どのアミノ酸が加えられるかは、ペプチドシンセサイザーによって制御され、ペプチドシンセサイザーは、データベースに入力されたペプチドの配列を頼りにする。合成ステップは、以下の通りに実施した:
ステップ1−樹脂膨潤:2mlのDMFを加え、30分間インキュベートし、DMFを排出した。]
[0089] ステップ2−合成サイクル(ペプチドの長さにわたって繰り返した)
2a−脱保護:反応溶液に1mlの脱保護溶液を加え、20分間インキュベートした。]
[0090] 2b−洗浄サイクル
2c−カップリング:反応槽に750mlのアミノ酸溶液(ペプチドシンセサイザー中に列挙される配列が決定されると変更される)および250mlのDIC溶液を加えた。反応槽を30分間インキュベートし、1回洗浄した。カップリングステップを1回繰り返した。]
[0091] 2d−洗浄サイクル
ステップ3−最終脱保護:最後にもう一度、ステップ2aおよび2bを実施した。]
[0092] 樹脂をメタノール中で脱膨潤させ(5mlメタノール中で2回すすぎ、5mlメタノール中で5分間インキュベートし、5mlメタノールですすいだ)、次いで、真空乾燥させた。]
[0093] 試薬R中で2時間インキュベートし、次いで、エーテル中に沈殿させることによって、樹脂からペプチドを回収した。ペプチドをエーテルで洗浄し、次いで、真空乾燥させた。ペプチドをdiH2Oに再可溶化させ、凍結し、一晩凍結乾燥させた。]
[0094] ペプチドの、キーホールリンペットヘモシアニンとのコンジュゲーション
ペプチド(6mg)を、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)とコンジュゲートした。選択されたペプチドが、少なくとも1個のシステインを含む場合には、総容量4mlについて、3アリコート(2mg)をPBS(2ml)に溶解し、PBS2ml中のグルタルアルデヒド、EDCまたはマレイミド活性化KLH(2mg)によってKLHとカップリングしてもよい。ペプチドが、システインを欠く場合には(TLE3ペプチドにおけるように)、2アリコート(3mg)を、グルタルアルデヒドおよびEDC法によってカップリングしてもよい
マレイミドカップリングは、2mgのペプチドを、PBS(4ml)中に溶解した2mgのマレイミド活性化KLHと混合し、4時間インキュベートすることによって達成できる。]
[0095] EDCカップリングは、PBS(リン酸の添加によってpH5に低下させた)4ml中で、2mgのペプチド、2mg未修飾KLHおよび20mgのEDCを混合し、4時間インキュベートすることによって達成できる。次いで、酢酸(pH4.2)1.33mlをゆっくり加えることによって反応を停止させる。EDCを使用して、3mgのペプチドをカップリングする場合には、上記で列挙された量を1.5倍に増大させる。]
[0096] グルタルアルデヒドカップリングは、PBS0.9ml中で、2mgのペプチドを、2mgのKLHと混合すると起こる。0.2%グルタルアルデヒド0.9mlを加え、1時間混合する。PBS中、1Mグリシン0.46mlを加え、1時間混合する。グルタルアルデヒドを使用して、3mgのペプチドをカップリングする場合には、上記の量を1.5倍に増大する。]
[0097] 続いて、コンジュゲートしているアリコートを再プールし、2時間混合し、1lのPBS中で透析し、凍結乾燥した。]
[0098] ウサギの免役化
2匹のニュージランドホワイトウサギに、総容量1ml中、等容量の完全フロイントアジュバントおよび生理食塩水中、250μg(合計)のKLHがコンジュゲートしているペプチドを注射した。次いで、最初の免役化の2、6、8および12週間後に、総容量1mlについて、等容量の不完全フロイントアジュバントおよび生理食塩水中の、KLHがコンジュゲートしているペプチド100μgを、3〜4箇所の皮下背側部位に注射した。免役化スケジュールは以下の通りとした:
0日目 免役前出血、一次免役
15日目 最初の追加免役
27日目 最初の出血
44日目 2回目の追加免役
57日目 2回目の出血および3回目の追加免役
69日目 3回目の出血
84日目 4回目の追加免役
98日目 4回目の出血
ウサギ血清の採取
ウサギを、耳介動脈から出血させた(30〜50ml)。血液を室温で15分間凝血させ、IECDPR−6000遠心機を5000gで使用して血清を血餅から分離した。細胞を含まない血清を、穏やかにデカントして、清潔な試験管に入れ、アフィニティー精製のために−20℃で保存した。]
[0099] 抗体力価の決定
洗浄溶液を除くすべての溶液は、Hamilton Eclipse、液体処理ディスペンサーによって加えた。固相上のペプチドを用いるELISAアッセイを使用して、ウサギにおいて抗体力価を求めた。柔軟な高結合ELISAプレートを、BBSで希釈されたペプチド(100ml、1mg/ウェル)を用いて受動的にコーティングし、ウェットボックス中、4℃で一晩インキュベートした(湿らせた綿ボールを含む気密容器)。プレートを空にし、次いで、半自動化プレートウォッシャーを使用して、満たすことおよび空にすることの反復によって、0.1% Tween−20を含有するBBS(BBS−TW)で3回洗浄した。各ウェルを、1%BSAおよび0.1%ゼラチンを含有するBBS−TW(BBS−TW−BG)で完全に満たすことおよび室温で2時間インキュベートすることによってプレートをブロッキングした。このプレートを空にし、ウェルに免疫前および免疫後両方の血清を加えた。最初のウェルは、血清をBBS中1:50で含んでいた。次いで、1:204,800の最後の(12回目の)希釈の間、1:1の割合で、プレート中で血清を12回以上連続的に力価測定した。プレートを4℃で一晩インキュベートした。このプレートを空にし、記載されるように3回洗浄した。]
[0100] 各マイクロタイタープレート試験ウェルに、ビオチン化ヤギ抗ウサギIgG(100ml)を加え、室温で4時間インキュベートした。プレートを空にし、3回洗浄した。各ウェルに、西洋ワサビペルオキシダーゼがコンジュゲートしているストレプトアビジン(BBS−TW−BGで1:10,000希釈した100μl)を加え、室温で2時間インキュベートした。このプレートを空にし、3回洗浄した。ABTSを、クエン酸バッファー(pH4.0で0.1M)10ml、保存溶液(水中、15mg/ml)0.2mlおよび30%過酸化水素10μlを組み合わせることによって、保存溶液から新たに調製した。各ウェルに、ABTS溶液(100μl)を加え、室温でインキュベートした。基質の添加の20分後に、プレートを414nmで読み取った。]
[0101] ペプチドアフィニティー精製カラムの調製:
10mlの臭化シアン活性化セファロース4Bに5mgのペプチドを、ヒドラジン−セファロース4Bに5mgのペプチドをコンジュゲートすることによって親和性カラムを調製した。手短には、ペプチド(5mg)にDMF100μlを加え、混合物を、内容物が完全に湿潤するまでボルテックス処理した。次いで、水を加え(900ml)、内容物を、ペプチドが溶解するまでボルテックス処理した。溶解したペプチドの半分(500μl)を、pH8.4のホウ酸緩衝生理食塩水(BBS)0.1ml中、10mlの臭化シアン活性化セファロース4Bおよびクエン酸バッファーpH6.0中の過剰のEDCを使用してpH4.5に調整した0.1M炭酸バッファー中、10mlのヒドラジン−セファロース4Bを含有する別個の試験管に加えた。コンジュゲーション反応は、室温で一晩進行させた。コンジュゲートされたセファロースをプールし、フリット付きカラムにロードし、10mlのBBSで洗浄し、10mlの1Mグリシンでブロッキングし、HClを用いてpH2.5に調整した0.1Mグリシン10mlで洗浄し、BBS中で再中和した。280nmの光学濃度がベースラインに達するのに十分な容量でカラムを洗浄した。]
[0102] 抗体のアフィニティー精製
ペプチド親和性カラムを、UVモニターおよびチャートレコーダーに取り付けた。力価測定したウサギ抗血清を、解凍し、プールした。血清を、1容量のBBSで希釈し、1分あたり10mlでカラムを通して流した。非ペプチド免疫グロブリンおよびその他のタンパク質を、過剰のBBSを用いて、280nmの光学密度がベースラインに達するまで、カラムから洗浄除去した。カラムを外し、親和性精製されたカラムを、pH7.0〜1.0の段階的なpH勾配を使用して溶出した。溶出を280nmでモニターし、抗体を含有する画分(pH3.0〜1.0)を、過剰の0.5M BBSに直接的に回収した。回収試験管中の過剰のバッファー(0.5M BBS)は、pH勾配の酸性画分中に回収された抗体を中和するよう働いた。]
[0103] 全手順を、抗体の最大回収を確実にするよう、血清を「枯渇させて」反復した。溶出した材料を、撹拌細胞装置および30kDの分子量カットオフを有するメンブランを使用して濃縮した。最終調製物の濃度は、280nmでの光学密度読み取りを使用して決定した。濃度は、以下の式を使用して決定した:mg/ml=OD280/1.4。]
[0104] 当然のことではあるが、特定の実施形態では、さらなるステップを使用して本発明の抗体を精製してもよい。特に、抗体を、例えば、抗体の作製において使用されたペプチドの1種に対して再精製することが有利であるとわかり得る。本発明は、このようなさらなる精製または再精製ステップを用いて調製されている抗体を包含するということは理解されるべきである。また、当然のことではあるが、精製工程は、サンプルと本発明の抗体間の結合に影響を及ぼし得る。]
[0105] 実施例2:組織アレイの調製および染色
この実施例には、実施例に使用された組織アレイを調製するために使用された方法が記載されている。この実施例はまた、どのように抗体染色を実施したかを記載している。]
[0106] 組織アレイは、多数の異なる患者に由来する組織の断片および/または単一の患者から得た異なる組織もしくは組織の断片を含む、多数のパラフィンブロック(ドナーブロック)から得た全層コアを、グリッドパターンで、グリッド中の設計された位置の、未使用のパラフィンブロック(レシピエントブロック)に挿入することによって調製した。次いで、パラフィン包埋された組織(ドナーブロック)の標準スライドを作製し、これは、H&E染色に適している試料の薄切片を含んでいた。訓練を受けた病理学者または同等の人は、腫瘍および正常組織の評価に精通しており、組織アレイ上のサンプリングのための注目する領域を設計した(例えば、胃に対立させて腫瘍領域)。次いで、Beecher Instruments製の市販の組織アレイヤーを使用して、ドナーブロックからコアを採取し、次いで、これをレシピエントブロック中、設計された位置に挿入した。この工程を、すべてのドナーブロックがレシピエントブロック中に挿入されるまで反復した。次いで、レシピエントブロックを薄切片にすると、ブロック中に挿入されたすべての症例から得たコアを含有する50〜300スライドが得られた。]
[0107] 次いで、選択された抗体を使用して、DAKO Envision+、ペルオキシダーゼIHCキット(DAKO Corp.、Carpenteria、CA)およびDAB基質を、製造業者の使用説明書に従って使用する免役組織化学的染色を実施した。図1は、TLE3陰性(S0643−)およびTLE3陽性(S0643+)であるサンプルの例示的IHC染色像を示す。] 図1
[0108] 実施例3:癌患者における化学療法に対する応答とのTLE3発現相関
2種の異なる乳癌コホートから得た腫瘍サンプル−Huntsville Hospital(HH)およびRoswell Park Cancer Institute(RP)を、実施例1のTLE3抗体を用いて染色した。両コホート中のすべての患者について、治療および再発データを入手した。図2は、TLE3抗体を用いる染色に基づいて分類した後のHHコホート中のすべての患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す。TLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図に示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合は、この乳癌コホートの全域で予後の改善と相関する(HR=0.573、p=0.004)。図3は、RPコホート中のすべての患者を使用して、同様の様式で作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す。HHコホートと同様に、TLE3マーカーとの抗体結合は、予後の改善と相関するとわかった(HR=0.239、p=0.011)。] 図2 図3
[0109] TLE3発現が、化学療法に対する応答と相関しているかどうかを調べるために、化学療法を受けたか、受けなかったHHコホート患者を使用して、別個のカプラン−マイヤー再発曲線を作成した(それぞれ、図4および5)。図4に示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合は、予後との、その相関を失う(HR=0.788、p=0.490)。しかし、図5に示されるように、化学療法を受けた患者では、相関は保存された(HR=0.539、p=0.013)。これらの結果は、TLE3発現が化学療法に対する応答の改善と相関していることを実証する(すなわち、TLE3陽性癌は、TLE3陰性癌よりも化学療法に対して応答する可能性がより高い)。化学療法を受けたRP乳癌コホート中の患者を使用して作成されたカプラン−マイヤー再発曲線は、この予測モデルと一致する(図6を参照のこと、HR=0.194、p=0.010)。化学療法を受けたUAB卵巣癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線もまた、この予測モデルと一致している(図18参照のこと、HR=0.64、p=0.049)。] 図18 図4 図5 図6
[0110] 実施例4:特定の化学療法薬の相関
HHおよびRPコホート中の種々の患者が、種々の種類の化学療法を受けたので、本発明者らは、TLE3発現が、特定の種類の化学療法に対する応答と相関するかどうかを調べることができた。]
[0111] 図7は、CMF(シクロホスファミド、メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル)化学療法を受けた図5のHH乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す。このサブセットでは、TLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図7に示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合は、このサブセットの治療された患者を通して予後の改善と相関する(HR=0.398、p=0.019)。CA(シクロホスファミドおよびアドリアマイシン、HR=1.000)またはCAF(シクロホスファミド、アドリアマイシンおよび5−フルオロウラシル、HR=1.000)を用いて治療されたHHコホート中の患者についての、相関の喪失を実証する以下の結果に基づいて、本発明者らは、図7における予測相関は、TLE3結合と、メトトレキサートを用いた治療の間である(CAおよびCAF治療されたサブセットを組み合わせる図9も参照のこと、HR=1.030)ことを確立することができた。] 図5 図7 図9
[0112] 図8は、CAまたはCAF化学療法を受けた(タキサンを伴うか伴わない)、図5のHH乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す。図に示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合と、予後の間の相関は、このサブセットの治療された患者では有意性を失う(HR=0.666、p=0.22)。曲線が、CAまたはCAF化学療法のみを受けた(すなわち、タキサンを伴わない)患者を使用して作成された場合には、有意性はさらに減少した(図9参照のこと、HR=1.030、p=0.95)。しかし、相関は、CAまたはCAFを、タキサンと組み合わせて受けた患者では回復された(図10参照のこと、HR=0.114、p=0.038)。これらの結果は、TLE3結合と、タキサンを用いる治療の間の相関を実証する。] 図10 図5 図8 図9
[0113] 図11は、CA化学療法のみを受けた(すなわち、タキサンを伴わない)図6のRP乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す。このサブセットでは、TLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線を、それぞれ作成した。図に示されるように、このサブセットの治療された患者では、TLE3マーカーとの抗体結合と、予後の間に相関はない(HR=0.759、p=0.81)。相関は、曲線が、CA化学療法を、タキサンと組み合わせて受けた患者を使用して作成された場合には回復された(図12参照のこと、HR=0.153、p=0.018)。これらの結果は、HHコホートから得たサンプルを使用して得られた図8および9の結果を支持する。] 図11 図12 図6 図8
[0114] 図13は、タキサンまたはCMFを受けた、図6のRP乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す。タキサンを受けた患者の一部は、CAも受けた。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。図で示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合は、このサブセットの治療された患者の全域で、予後の改善と相関する(HR=0.137、p=0.011)。] 図13 図6
[0115] 図14は、ネオアジュバント化学療法を受けた、図6のRP乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す。このサブセット中のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。サンプルサイズは小さかったが(N=12)、図で示されるように、TLE3マーカーとの抗体結合は、フィッシャーの正確確率検定を使用して測定した場合に、このサブセットの治療された患者を通して、予後の改善と有意な相関を示した(p=0.005)。さらに、ネオアジュバント化学療法を受けている12人の患者のうち、2人はCAを受けた(両方とも再発を示した)が、10人は、タキサンとともにCAを受けた(7人が再発を示し、3人は示さなかった)。再発を全く示さなかった3人の患者が、TLE3陽性サンプルを有する患者のみであったことは顕著なことである。これらの結果は重要であるが、これは、TLE3結合と、化学療法に対する応答の間の相関が、治療が、アジュバントまたはネオアジュバント設定で投与されているかにかかわらず当てはまることをそれらが示すからである。] 図14 図6
[0116] 図15〜17は、化学療法を受けた、図6のRP乳癌コホート中の患者を使用して作成したカプラン−マイヤー再発曲線を示す。ステージII+(図15)、ステージIIb+(図16)およびステージIII+(図17)癌のTLE3陽性およびTLE3陰性患者から得た再発データを使用して、上の曲線および下の曲線をそれぞれ作成した。各場合において、TLE3マーカーとの抗体結合は、これらのサブセットの治療された患者を通して、予後の改善と相関した。図17のサブセットでは、サンプルサイズは小さかったが(N=19)、フィッシャーの正確確率検定を使用して測定した場合に、有意性が得られた(p=0.020)。これらの結果は、臨床上重要であるが、これは、それらが、TLE3マーカーの予測力が、ステージと無関係であり、最も悪い予後を有する患者においてでさえ有意性が残っていることを実証するからである(例えば、ステージIII+患者)。] 図15 図16 図17 図6
[0117] 実施例5:二変数分析
TLE3の予測力が、その他の臨床因子(例えば、年齢、腫瘍の大きさ、結節の状態、壊死など)と無関係であることを確認するために、本発明者らは、RP乳房コホートから得た結果を使用して二変数統計分析を実施した。結果は、以下の表1に要約されている。表に示されるように、TLE3を使用する予測は、すべての二変数分析において有意性を残しており、このことは、そのその他の臨床因子の非依存を実証する。]
[0118] その他の実施形態
本発明のその他の実施形態は、明細書の考察または本明細書に開示される本発明の実施から当業者には明らかであろう。明細書および実施例は、単に例示と考えられ、本発明の真の範囲は、以下の特許請求の範囲によって示されると意図される。]
[0119] ]
[0120] ]
[0121] ]
[0122] ]
[0123] ]
[0124] ]
[0125] ]
[0126] ]
[0127] ]
[0128] ]
[0129] ]
[0130] ]
[0131] ]
[0132] ]
[0133] ]
[0134] ]
[0135] ]
[0136] ]
[0137] ]
[0138] ]
[0139] ]
[0140] ]
[0141] ]
[0142] ]
[0143] ]
[0144] ]
[0145] ]
[0146] ]
[0147] ]
[0148] ]
[0149] ]
[0150] ]
[0151] ]
[0152] ]
[0153] ]
[0154] ]
[0155] ]
[0156] ]
実施例

[0157] ]
权利要求:

請求項1
患者の癌が化学療法に対して応答する見込みを予測するための方法であって、癌患者由来の癌サンプルを提供するステップと、該癌サンプル中でTLE3が発現されるか否かを測定するステップと、該測定するステップの結果に基づいて、該患者の癌が化学療法に対して応答する見込みを予測するステップとを含む、方法。
請求項2
前記予測するステップが、前記癌サンプル中のTLE3発現の存在に基づいて、前記患者の癌が、化学療法に対して応答する可能性が高いと予測するステップを含む、請求項1に記載の方法。
請求項3
前記予測するステップが、前記癌サンプル中にTLE3発現がないことに基づいて、前記患者の癌が、化学療法に対して応答する可能性が低いと予測するステップを含む、請求項1に記載の方法。
請求項4
前記測定するステップが、陰性対照サンプルを提供するステップと、該陰性対照サンプル中のTLE3発現のレベルを検出するステップと、前記癌サンプル中のTLE3発現のレベルを検出するステップと、該癌サンプル中のTLE3発現のレベルを、該陰性対照サンプル中のTLE3発現のレベルと比較するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
請求項5
前記測定するステップが、陽性対照サンプルを提供するステップと、該陽性対照サンプル中のTLE3発現のレベルを検出するステップと、前記癌サンプル中のTLE3発現のレベルを検出するステップと、該癌サンプル中のTLE3発現のレベルを、該陽性対照サンプル中のTLE3発現のレベルと比較するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
請求項6
前記測定するステップが、前記癌サンプルを、TLE3ポリペプチドと結合する相互作用パートナーと接触させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
請求項7
前記相互作用パートナーが抗体である、請求項6に記載の方法。
請求項8
前記測定するステップが、前記癌サンプルを、TLE3ポリヌクレオチドとハイブリダイズする1種以上のプライマーと接触させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
請求項9
前記患者の癌が化学療法に対して応答する見込みに基づいて、該癌患者に、化学療法を投与するか否かを決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
請求項10
前記決定するステップが、前記癌サンプル中のTLE3発現の存在に基づいて、前記癌患者に、化学療法を投与すると決定するステップを含む、請求項9に記載の方法。
請求項11
前記決定するステップが、前記癌サンプル中にTLE3発現がないことに基づいて、前記癌患者に、化学療法を投与しないと決定するステップを含む、請求項9に記載の方法。
請求項12
前記化学療法が、細胞周期特異的化学療法薬を用いる治療を含む、請求項9に記載の方法。
請求項13
前記化学療法が、メトトレキサートまたはメトトレキサート誘導体を用いる治療を含む、請求項9に記載の方法。
請求項14
前記化学療法が、タキサンまたはタキサン誘導体を用いる治療を含む、請求項9に記載の方法。
請求項15
前記タキサンがパクリタキセルである、請求項14に記載の方法。
請求項16
前記タキサンがドセタキセルである、請求項14に記載の方法。
請求項17
前記癌患者が、乳癌を有する、請求項1に記載の方法。
請求項18
前記癌患者が、肺癌を有する、請求項1に記載の方法。
請求項19
前記癌患者が、卵巣癌を有する、請求項1に記載の方法。
請求項20
前記化学療法が、ネオアジュバント設定で施される、請求項1に記載の方法。
請求項21
前記化学療法が、アジュバント設定で施される、請求項1に記載の方法。
請求項22
前記癌患者が、ステージII+の癌を有する、請求項1に記載の方法。
請求項23
前記癌患者が、ステージIIb+の癌を有する、請求項1に記載の方法。
請求項24
前記癌患者が、ステージIII+の癌を有する、請求項1に記載の方法。
請求項25
癌患者のための化学療法を選択するための方法であって、癌患者由来の癌サンプルを提供するステップと、該癌サンプル中でTLE3が発現されるか否かを測定するステップと、該測定するステップの結果に基づいて、該癌患者のための化学療法を選択するステップとを含む、方法。
請求項26
前記選択するステップが、前記癌サンプル中のTLE3発現の存在に基づいて、化学療法を選択するステップを含む、請求項25に記載の方法。
請求項27
前記測定するステップが、陰性対照サンプルを提供するステップと、該陰性対照サンプル中のTLE3発現のレベルを検出するステップと、前記癌サンプル中のTLE3発現のレベルを検出するステップと、該癌サンプル中のTLE3発現のレベルを、該陰性対照サンプル中のTLE3発現のレベルと比較するステップとを含む、請求項25に記載の方法。
請求項28
前記測定するステップが、陽性対照サンプルを提供するステップと、該陽性対照サンプル中のTLE3発現のレベルを検出するステップと、前記癌サンプル中のTLE3発現のレベルを検出するステップと、該癌サンプル中のTLE3発現のレベルを、該陽性対照サンプル中のTLE3発現のレベルと比較するステップとを含む、請求項25に記載の方法。
請求項29
前記測定するステップが、前記癌サンプルを、TLE3ポリペプチドと結合する相互作用パートナーと接触させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
請求項30
前記相互作用パートナーが抗体である、請求項29に記載の方法。
請求項31
前記測定するステップが、前記癌サンプルを、TLE3ポリヌクレオチドとハイブリダイズする1種以上のプライマーと接触させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
請求項32
前記化学療法が、細胞周期特異的化学療法薬を用いる治療を含む、請求項25に記載の方法。
請求項33
前記化学療法が、メトトレキサートまたはメトトレキサート誘導体を用いる治療を含む、請求項25に記載の方法。
請求項34
前記化学療法が、タキサンまたはタキサン誘導体を用いる治療を含む、請求項25に記載の方法。
請求項35
前記タキサンがパクリタキセルである、請求項34に記載の方法。
請求項36
前記タキサンがドセタキセルである、請求項34に記載の方法。
請求項37
前記癌患者が、乳癌を有する、請求項25に記載の方法。
請求項38
前記癌患者が、肺癌を有する、請求項25に記載の方法。
請求項39
前記癌患者が、卵巣癌を有する、請求項25に記載の方法。
請求項40
前記化学療法が、ネオアジュバント設定で施される、請求項25に記載の方法。
請求項41
前記化学療法が、アジュバント設定で施される、請求項25に記載の方法。
請求項42
前記癌患者が、ステージII+の癌を有する、請求項25に記載の方法。
請求項43
前記癌患者が、ステージIIb+の癌を有する、請求項25に記載の方法。
請求項44
前記癌患者が、ステージIII+の癌を有する、請求項25に記載の方法。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
JP6564500B2|2019-08-21|ヒト癌における変異ros発現
US20200116726A1|2020-04-16|Pancreatic cancer targets and uses thereof
JP6182127B2|2017-08-16|Gene products differentially expressed in tumors and uses thereof
US9176139B2|2015-11-03|LOX and LOXL2 inhibitors and uses thereof
Tan et al.2009|Serum autoantibodies as biomarkers for early cancer detection
Nguyen et al.2000|Antibodies against keratinocyte antigens other than desmogleins 1 and 3 can induce pemphigus vulgaris–like lesions
DE69831222T2|2006-07-13|Verbindungen zur immundiagnose von prostatakrebs und deren verwendung
EP0734264B1|2004-02-18|Compositions that specifically bind to colorectal cancer cells and methods of using the same
US7608413B1|2009-10-27|Kidney disease targets and uses thereof
US20170275706A1|2017-09-28|Alk and ros kinase in cancer
EP2494359B1|2014-12-03|Podxl protein in colorectal cancer
US7834163B2|2010-11-16|Prostate specific genes and the use thereof as targets for prostate cancer therapy
ES2637592T3|2017-10-13|Defectos de genes y quinasa ALK mutante en tumores sólidos humanos
AU2017203548B2|2019-05-02|Translocation and mutant ROS kinase in human non-small cell lung carcinoma
US7842466B1|2010-11-30|Colon disease targets and uses thereof
US10273308B2|2019-04-30|Methods of producing antibodies specific for p95
ES2745014T3|2020-02-27|Proteína
Kaira et al.2009|Prognostic significance of L-type amino acid transporter 1 | and 4F2 heavy chain | expression in stage I pulmonary adenocarcinoma
JP2020018325A|2020-02-06|Diagnostic assays and kits for detection of folate receptor 1
Leach et al.2010|Use of tissue cross-reactivity studies in the development of antibody-based biopharmaceuticals: history, experience, methodology, and future directions
US7135301B2|2006-11-14|Detection and treatment of prostate cancer
US20110223107A1|2011-09-15|Antibodies that specifically block the biological activity of a tumor antigen
US20190002587A1|2019-01-03|Monoclonal anti-tk1 antibodies
US20120282177A1|2012-11-08|ROR1 as Therapeutic and Diagnostic Target
DK2356462T3|2017-02-27|Anti-cxcr1 compositions and procedures
同族专利:
公开号 | 公开日
EP2227693A4|2011-05-04|
CN101932938B|2014-08-27|
WO2009073478A2|2009-06-11|
US7816084B2|2010-10-19|
US20090155798A1|2009-06-18|
US20110015259A1|2011-01-20|
US20130079392A1|2013-03-28|
US9005900B2|2015-04-14|
EP2227693A2|2010-09-15|
GB2460769C|2011-09-07|
JP5745273B2|2015-07-08|
GB2460769A|2009-12-16|
GB0910374D0|2009-07-29|
EP2227693B1|2015-08-19|
US7754431B2|2010-07-13|
US20150198599A1|2015-07-16|
CN101932938A|2010-12-29|
WO2009073478A9|2009-12-23|
US20100062444A1|2010-03-11|
GB2460769B|2010-06-02|
US8785156B2|2014-07-22|
WO2009073478A3|2009-08-27|
HK1152563A1|2012-03-02|
CA2706881A1|2009-06-11|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2011-11-10| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111109 |
2012-08-07| A711| Notification of change in applicant|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20120806 |
2012-08-23| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20120806 |
2013-08-15| A977| Report on retrieval|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130815 |
2013-08-21| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130820 |
2014-05-30| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140529 |
2014-08-29| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140828 |
2014-09-18| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140917 |
2014-09-26| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140909 |
2014-09-30| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140929 |
2014-10-23| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141022 |
2014-10-23| RD02| Notification of acceptance of power of attorney|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20141022 |
2014-10-30| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20141014 |
2014-10-30| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20141029 |
2014-11-07| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20141106 |
2014-11-27| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141126 |
2015-02-20| RD04| Notification of resignation of power of attorney|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20150220 |
2015-03-31| TRDD| Decision of grant or rejection written|
2015-04-08| A01| Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150407 |
2015-05-14| A61| First payment of annual fees (during grant procedure)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150501 |
2015-05-15| R150| Certificate of patent or registration of utility model|Ref document number: 5745273 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
2018-05-15| LAPS| Cancellation because of no payment of annual fees|
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
[返回顶部]